東都大学野球リーグの中大が10日、東京・八王子市内の同大グラウンドで練習始めを行った。今秋のドラフト候補に挙がる最速152キロ右腕・大栄陽斗(あきと)投手(3年=仙台育英)は、「チームとしてはリーグ優勝と日本一。個人としてはプロに行くのが目標です」と、力強く宣言した。

「日に日に強くなっている」というプロへの思いを明かした。大栄は2つの理由を挙げた。1つは昨秋、北村恵吾がヤクルト、森下翔太が阪神にドラフト指名され、ともにプロ入りした。「身近にいた先輩がプロへ。自分も続きたい、という気持ちが強くなった」。ポジションは違うが、一緒に練習を重ねたチームメートの飛躍に、影響を受けた。

そしてもう1つ。それは、12月に行われた侍ジャパン大学日本代表候補選手強化合宿に参加したことだ。「レベルの高さを感じた。より切磋琢磨(せっさたくま)してやっていこうと思うと同時にプロに行きたいと思いました」。自分の知らない上のレベルがある。まだ見たことのない世界へ。胸がワクワクした。

昨春は右肘を痛め離脱。秋は復活し力強い投球でリリーフとして活躍した。「強気で向かっていく投球が持ち味」と自信を深めた。「直球とスライダーだけでなく、変化球の精度をあげたい」と、レベルアップへ意気込んでいる。

年末は、実家のある福島県いわき市で過ごし、小名浜の海から初日の出を拝んだ。「今年は勝負の年。より感じるものがありました。『やるぞ』という気持ちになりました」。覚悟を決めた元旦。今年は必ずいい1年にする。大栄の勝負の年が始まった。【保坂淑子】