日本ハム五十幡亮汰外野手(24)が10日、静岡・下田市内での自主トレを公開した。走攻守のスキルアップと野球への取り組み方を学ぶため、初めて広島秋山翔吾外野手(34)の自主トレに参加。1年目の21年はシーズン途中で負傷離脱し、昨季は腰の手術で思うように活躍ができなかったが、幕末に“開国の舞台”となった街できっかけをつかみ、新球場での「新時代」を切り開く。

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ペリーも受けた強烈な浜風を背に、五十幡がはい上がる。1854年、開国のきっかけとなる日米和親条約締結の舞台となったのが伊豆下田。歴史的な街を初めて訪れ秋山ら10選手と、しっかり4時間半汗を流し「この下田から今季が始まった。特別な街になると思う。しっかり恩返ししたい」と強い口調で話した。

1年目が左太ももの肉離れ、昨季は4月に腰の手術を受け離脱し、出場6試合にとどまった。再起をかけた23年に向け、自ら秋山塾入塾を決めた。5日から参加し13日まで9日間。「走攻守3拍子そろった自分の目標とする選手。技術だけでなくメジャーも経験してきた野球への取り組み方も」貪欲に習得する。

トス打撃では秋山から打つポイントを「前で」と助言を受けた。「いろんなことを教わっているので吸収できれば。人それぞれ打ち方は違うと思うので参考にしながら自分のスイングを見つけたい」。15年に216安打の日本記録を打ち立てた安打製造機の言葉を「メモしながら」学ぶ姿勢に、秋山も「とにかく一生懸命。しんどいメニューも踏ん張ってやってくれている」と、意気に感じている。

心に響くメッセージも授かった。「これが合わないと思っても続けてみると、その先があるかもしれないと。最後の1回まで手を抜かないとか。運を味方に付けないといけない世界。そういった取り組みが野球に絶対生きると(秋山が)言い切っている」。何事もやり抜け。球界屈指の韋駄天(いだてん)が、メジャー仕込みの技術、思考をたっぷり取り入れ“新球場維新”の立役者になる。【永野高輔】

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