3月のWBCを戦う侍ジャパンへの参加が決まったメジャーリーガー3選手は、宮崎での強化合宿(2月17~27日)から代表に合流する方向で準備が進んでいることが10日、分かった。パドレスのダルビッシュ有投手(36)が宮崎からの合流を希望し、エンゼルス大谷翔平投手(28)、カブス鈴木誠也外野手(28)も賛同。日本人の母を持つ日系2世で招集確実なカージナルスのラース・ヌートバー外野手(25)も、宮崎から参加する可能性が高い。

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メジャーリーガーは3月9日からの1次ラウンド前に行われる強化試合に合わせ、代表に合流する案もあった。だが、球界関係者によると、ダルビッシュ本人が宮崎合宿からの参加を希望している。日本球界を離れて既に10年以上が経過し、面識がない選手も増えた。本番およそ3週間前から行動を共にし、若手とのコミュニケーションを大事にしたい意図があるようだ。

6日には栗山監督がダルビッシュ、大谷、鈴木の3人を含む12人の代表入りを先行発表した。その際、メジャー選手の合流時期について「なるべく最初からいけないか、お願いはしている」と希望を口にした。特にダルビッシュについては、技術だけでなく、経験や知識も若手に伝授することを期待。「ぜひ伝えてくれとお願いしているが、僕がお願いする以上に本人が感じてくれている」とやりとりも明かした。36歳で今大会チーム最年長となる公算が大きいダルビッシュの、指揮官の思いもくんだ“おとこ気”の決断と言える。

その姿に大谷、鈴木も賛同し、メジャー3選手が宮崎に集結する方向だ。鈴木は2月上旬にカブスのキャンプ地メサ入り。調整を進めた後、日本へ再帰国する。メジャーリーガーの合流時期について、NPB井原事務局長は「(大会ルールではなくMLBとの)やりとりの分類」と説明した。宮崎からの参加に関し、所属球団の了承などもクリアされる見込み。代表内定のレッドソックス吉田は移籍1年目ということもあり不透明だが、ヌートバーは宮崎から参加する可能性が高い。初対面のチームメートたちとサインプレーや守備の確認事項を詰めていく。

09年の第2回大会以降、宮崎では代表の直前合宿が行われてきた。09年はイチロー(マリナーズ)の参加もあり、期間中の来訪者は24万人を超えた。今回もフィーバーは確実。熱い盛り上がりを世界一へつなぐ。

○…宮崎合宿は、今回も「ひなたサンマリンスタジアム宮崎」で行われる。コロナ禍が続くが、一般客も見学可能となる予定。メジャーリーガーの参加となれば大盛況確実なだけに、県は対策を練り続けている。担当者は「整理券などを検討しています。今月中旬には発表したい」と話した。最大の懸念は渋滞だ。09年は1週間の期間中に24万人以上が来訪した。宮崎市中心部と同球場を結ぶ国道220号で大渋滞が発生。平日にもかかわらず、朝から車両の列が球場から宮崎空港のあたりまで伸び、急きょ白バイやパトカーが出動する事態となった。同担当者は「10キロ以上の渋滞も起きました。今回も、それに近い形が発生するかもしれない。それだけは避けたい」と強く話した。整理券の他にも、臨時駐車場の設置や公共交通機関の利用呼びかけを検討している。