もうやるしかない-。阪神高山俊外野手(29)が、今季にかける思いを激白した。22日、鳴尾浜で取材対応。岡田新体制で復活を期す16年新人王は、自身の立場を認識した上で心境を語り始めた。

「本当、(監督が)岡田さんになってなかったら今年、やっていないかもしれないので。そういう人一倍強い気持ちはあるし、キャンプでぶつけられたらなと思います」

昨季は38試合の出場でわずか10安打。球団の構想から外れてもおかしくない状況であることは誰よりも分かっていた。春季キャンプは1軍スタートが決定し「チャンスをいただいた。本当に結果で返したい」。失うものはない。沖縄・宜野座でアピール合戦に身を投じる準備はできている。

一方で、同じ轍(てつ)は踏まないつもりでもある。「秋季キャンプは空回りして、いろんなところを痛めたりしていた」。全メニューを消化することができなかった過去を糧に変える。「全開でできる体ではいますけど、まずはケガをしないことが一番」。昨年6月には2軍戦で右膝蓋(しつがい)骨を骨折。万全の状態で戦い抜くことが再起への最低条件になる。

今オフは減量に成功。「10キロとかではない」と否定するが「体幹だったり、バッティングをやったり、ボールを投げたり…。全体的にけっこう体、絞れたと思う」と体にムチを入れている。1日の水分摂取量にも気を使う徹底ぶり。「パワーを上げながら(体の)ムダなところを落としてという感じ」と手応えもある。今年4月で30歳を迎える。肉体改造に力を入れた。

「結果がどうなるか分からないですけど、この時期にできることは100%、精いっぱいやって臨めると思う」。言葉の端々からにじみ出る悲壮感は不退転の覚悟の証し。高山の野球人生をかけた2月がやって来る。【中野椋】

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