活躍の予感だ! 阪神の新外国人シェルドン・ノイジー外野手(28=アスレチックス)が7日、沖縄・宜野座キャンプ初の実戦形式となるシート打撃で、左中間スタンドへ135メートルの特大弾を放った。続いて打席に入ったヨハン・ミエセス外野手(27=レッドソックス3A)にも1発が生まれ、衝撃の「アベック1号」で虎党の度肝を抜いた。

これがノイジーだ! 虎の新助っ人が放った打球は、グングンと伸びた。左中間深くに着弾。推定飛距離は135メートルだ。特大の「来日1号」。悠々とダイヤモンドを回る姿に、スタンドは沸いた。

カウント2-1からの4球目、桐敷が投じた高めの146キロ直球を捉えた。初実戦でいきなり結果を残したが、「初日打てたことはうれしいですけど、ここで焦るのではなく、シーズン途中も、そして最後の日でも自分のバッティングができるようにやっていきたい」と引き締めた。広角な打撃が持ち味の「3番左翼」最有力候補が、予想を上回るパワーを披露した。

視察に訪れた他球団スコアラーにも強烈なインパクトを与えた。巨人樽見スコアラーは「(元巨人)マギーに似ている。右中間、左中間に二塁打が多く出るイメージのスイング」と、来日から3年間で67本塁打を記録した優良助っ人に例えた。広島岩本スコアラーも「甲子園なんかは入っちゃう。あの浜風で。ちょっと注意していきたい」と警戒心を強めた。

シート打撃では左翼の守備にも就き、佐藤輝の左翼線の安打を処理。遊撃木浪へ正確に返球し、一塁走者のホーム生還阻止に貢献。「外野の守備もいい調子で続いている。筒井(外野守備走塁)コーチが本当にいろいろ助けてくれて、教えてくれている。まだまだ教わることは多いけど、このままコーチとともにやっていきたい」。打つだけではなく、守備練習にも前向きに取り組む。その姿勢がプレーに表れた。

直後のミエセスも1発を放ち、衝撃のアベック弾。岡田監督は「ノイジーはええよ。フリーバッティングとか見てたら。はっきりいうて」と当然と言わんばかり。ノイジーは「自分の仕事はゲームに出て、強い打球を打つこと。結果的にそれがホームランになればうれしいけど、自分の仕事を全うしたい」とキッパリ。オフに球団は右打ちの強打者を補強ポイントの最優先課題に挙げていた。名刺代わりの放物線に、アレへの期待は高まる。【波部俊之介】

○…岡田監督が助っ人のアベック弾を“アシスト”した。本来は凡退に終わった1打席のみで終わる予定だったが「まだピッチャー投げる人数おるのに、打つのがいてなかったから」と1打席追加を指示していた。変則右腕の岡留と対戦する可能性もあったが、桐敷にぶつけた。「そら岡留より桐敷のほうがええの決まってるやろ。いきなりサイドのピッチャー打たすとか、そういうのは臨機応変にやらんと。打たれたピッチャーはつらいと思うけど、この時期で打った、打たれたを評価する時期じゃない。(コーチに)『(評価は)何にも関係ないって言うとけ』言うたけど」と2年目左腕をフォローした。