約130メートルの場外弾から3時間後、ヤクルト村上宗隆内野手(23)は室内練習場で黙々とバットを振り続けていた。「シュッ、シュッ」とスイングのたびに声を出し、ティー打撃、マシン打撃を繰り返した。派手な1発の裏で、地道な振り込みを続けていた。

9日、沖縄・浦添キャンプ第3クール初日。フリー打撃の35スイング目だった。「引っ張りを意識した」という当たりは右翼ポール奥の防球ネットを越えた。関係者入り口を警備していた女性警備員は「後ろでポトンという音がして振り返ったらボールだった」と立っていた場所から2、3メートル離れたアスファルトの上に落下。そのまま警備員が待機するテントに吸い込まれていった。

「しっくり行っているのは少ないが、ある程度バットも振れている。1番はケガなく来られているのが良い」と納得の表情。70スイング中10本の柵越えで、そのうち9本が右方向。意図通りの打球を放ち続けた。

今月2日、スコアボード上側に当たって場外弾となった140メートルアーチを放ち、3日にはスコアボードを破壊する特大弾も放っていて、順調な仕上がりを見せている。

その後、投手とのフリー打撃で「おかわり」。さらに特守では111本のノックを受けた。12日に練習試合、DeNA戦(浦添)、そして16日にはチームを離れ、WBC代表強化合宿に合流する。「高ぶりというより、しっかり調整していかないといけない。こちらでの実戦もある。しっかりと段階を踏んで行けたら」。日の丸の4番へ、力をみなぎらせた。【三須一紀】

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