開幕ローテ入りへ大前進! 阪神大竹耕太郎投手(27)が25日、ヤクルトとのオープン戦(浦添)で快投を披露した。

3回を投げ、4者連続を含む5奪三振で無失点。ソフトバンクから現役ドラフトで加入後、12日の紅白戦から実戦3試合で計9回無失点となった。岡田監督も結果を出し続ける左腕を「(開幕ローテ入りは)そら近いよ」と絶賛。激しい左腕先発争いで一気に抜け出した感がある。

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あっという間の3回無失点だった。淡々とアウトを重ねるテンポの良い投球。右打者の内角には直球を、左打者にはチェンジアップを巧みに使った。打者の左右を問わず、4者連続を含む5奪三振。「びっくりはしていない。三振を取りにいく意識で投げていないから取れるのかなと思う。力んでいないので」。この日は球場表示で最速140キロ。熟練の投球でうならせた。

今春は紅白戦を含め実戦3試合で計9回を無失点。アピールを続ける左腕に岡田監督も「ええピッチングしたなあ、また。右左関係なしやな。(テンポが良いから)守ってる方も楽やで」とニンマリだ。現状、左腕で開幕ローテ当確組は伊藤将のみ。激しい競争が続く中、指揮官は「皆もう1回ずつぐらい投げて逆算になる」としながらも、大竹に関しては「(ローテ入りに)そら近いやろ」と筆頭格であることを暗に認めた。

確かにその立ち振る舞いは頼もしい。7回2死、右打者内山をカウント2-2とした後、ファウルで4球粘られた。それでも最後は132キロ直球を内角に投げ込み、見逃し三振に仕留めた。「内の真っすぐを使わずに終わらせたかった。球数がかさんだので内にいったんですけど」。すでに本番を想定してマウンドに上がっている。

昨年12月に現役ドラフトでソフトバンクから加入した。指揮官は早大の大先輩でもある。「この3年間くらい1軍でほとんど投げていない。今年こそという気持ちで入団したし、監督も大学の大先輩。胴上げしたいという気持ちも一層高まっています」。指揮官とともに、心はすでにアレ(=優勝)に向かっている。【波部俊之介】

◆大竹耕太郎(おおたけ・こうたろう)1995年(平7)6月29日生まれ、熊本県出身。済々黌2年夏、3年春に甲子園出場。早大では東京6大学リーグ通算11勝。17年育成ドラフト4位でソフトバンク入団。18年に支配下へ昇格し、8月1日西武戦に初登板で先発し初勝利。昨オフ現役ドラフトで阪神移籍。通算35試合、10勝9敗、防御率4・07。184センチ、87キロ。左投げ左打ち。

○…西勇輝投手が26日の日本ハムとのオープン戦(名護)に先発する。23年初登板となる右腕は2イニングを予定。「自分にしか分からない感覚を確認していきたい。相手打者や観客がいる。試合に近いところでの感覚を一番大事にしたいし、悪かったところを次の登板で修正していきたい」と力を込めた。