阪神大山悠輔内野手(28)が今春実戦17試合目で初のマルチ安打を記録し、復調気配を印象づけた。DeNAとのオープン戦に「4番一塁」で出場。不調が心配されていた中、左に右に痛烈な当たりを放った。2四球を含む全4打席出塁に、岡田彰布監督(65)もえびす顔。主砲が復活の兆しを見せたことも功を奏し、開幕カードでぶつかるDeNAとの前哨戦で2連勝を飾った。

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大山が今春初めてスコアボードに「Hランプ」を2度ともした。まずは5回、2死走者なしから平良の低め変化球を引っ張り、痛烈な打球で三塁手の右を抜いた。7回は先頭で中川の外角151キロ直球を逆方向にはじき返す右前打。代走植田を送られベンチに下がると、ナインからハイタッチで迎えられた。

「ヒットが出るに越したことはない。何が良かったのかをもう1回反省して、次の試合に向けてやっていきたいと思います」

決して浮かれない主砲だが、周囲はホッと一安心だろう。14日からの関東遠征前のオープン戦打率は0割7分1厘。マルチ安打は今春実戦17試合目にして初めてだ。岡田監督は試合前練習を振り返り「今年1番のフリーバッティングしとったな。今日は絶対打ちよるなと思ってたよ。分かりやすいよな」とニヤリ。予想を的中させ「見送り方と言うかな。打つ打たんを抜きにして、ボールを見極める姿(が改善された)というかな」と納得顔だ。

大山本人は「もちろん見極めができたのはいいですけど、その分甘いボールもファウルにしている。反省もあるので、しっかり頭に入れてやりたい」と冷静。とはいえ初回1死一、二塁からの第1打席、3回2死二塁からの第2打席でも四球を選んでおり、全4打席出塁の内容は上々だ。プロ通算打率が3割を超える得意のハマスタで2試合連続安打を放ち、打率も1割5分2厘まで上昇。心配されていた4番の復活は、開幕を2週間前に控えたチームにとって大きな追い風となりそうだ。【古財稜明】

◆阪神岡田監督の大山関連コメント

▼3月3日(今春対外試合無安打に)「金もうけならん思ってんちゃう?」

▼同4日(オリックス戦の捕邪飛に)「今年イチのスイングしたんちゃう?」

▼同11日(日本ハム戦で今春初長打も)「(1本)出ただけやん。それでようなった感じはないやん」

▼同12日(巨人戦で1番DH起用)「1打席でも(多く)立つしかないやろ」

▼同13日(オープン戦打率0割7分1厘で)「今週中にはちょっと当たり出てこんとなあ。完璧にならんでもいいけど、ちょっと明るい兆しくらいはな」

○…糸原がオープン戦出場9試合目で初打点を挙げた。7番DHで出場。1点リードの7回2死三塁、右腕中川の151キロ真っすぐを中前にはじき返した。「(前打者の板山が)ゲッツーで嫌な雰囲気だったと思いますが、しぶとくいい点が取れた。1-0と2-0では全然違う」と笑顔。6回にも中前に運ぶなど、マルチ安打で4打席3出塁。岡田監督が左の代打の切り札を期待する男は「もっと上げていかないと」と気を引き締めた。

▽渡辺諒(8回裏から移籍後初の三塁守備)「セカンドとどっちもしっかりできるように、もっと練習して、もっと使ってもらえるように頑張ります」

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