今年初のお立ち台で、オリックス宮城大弥投手(21)が柔和な笑みを浮かべた。「少しほっとしています」。今季初先発で5回まで無安打の快投。直後のギャップがファンを沸かせた。

6回1死から初めて内野安打を許したが、気持ちは切れなかった。「もうヒットでいいかなと思いながらやっていたので、すぐに切り替えられた。冷静に、でも心はずっと燃えていたので、よかったと思います」。平然とした表情に隠した熱い心で、前日初勝利を挙げた山本に続く1勝目。そして、先発した侍ジャパン投手は負けない“無敗神話”をつないだ。

世界一に輝いたWBCでは、愛されキャラになった。エンゼルス大谷には“タメ口”で話しかける許可をもらい、食事会にもこぎつけた。4日には、インスタグラムを通じてパドレスのダルビッシュに“おねだり”。他の侍メンバーに届いたプレゼントが宮城に届かず、悲しみでうつむく写真を投稿。すぐにダルビッシュから反応があった。「しっかり送られてきました。バスタオルとマスクと、バッグみたいなものをいただきました。来てすぐに使いました」。チームは解散しても、関係は変わらない。

侍で発揮した愛され力は健在。「頓宮さんが(ノーヒット)あるぞと言わなければ、もっといけたかもしれないですけど、打ったので良しとします」。お立ち台で並んだ先輩の活躍を冗談交じりにたたえた。

変わらぬ姿に中嶋監督も「心配してましたけど、普通通りでした。非常にいい時の宮城かなと思います」と一安心。侍2人から連勝し再び貯金1。一気の波乗りといきたい。【磯綾乃】

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