巨人がワールドクラスの最難敵を攻略した。

20年サイ・ヤング賞右腕のDeNAトレバー・バウアー投手(32)と初対戦。2回に主砲・岡本和真内野手(26)の5号同点ソロを皮切りに、ドラフト4位ルーキーの門脇誠内野手(22)が決勝打とプロ1号を含む3安打4打点、1盗塁の猛打賞。大城卓三捕手(30)の5号2ランで畳みかけ、6回11安打7得点でKOした。徹底した“バウアー対策”が功を奏し、首位DeNAに快勝して連敗を3で止めた。

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あこがれ捨て、倒しにいった。オールドスタイルで独特の間合いで攻めてくる。岡本和は「日本ではなかなかないタイミングなので、タイミングをしっかり合わせることを意識した」と18・44メートル前に立つバウアーを視界に入れた。1点を追う2回無死、カウント2-2からの5球目を捉えた。「いいスイングができたかなとは思います」と、やや高めに浮いた直球を押し込んで、バックスクリーン左に放り込んだ。

20年の全米最高投手を全方位から攻めた。同点に追いつき、なお2死一塁から梶谷が二盗を決めた。得点圏に侵入すると、門脇が外角チェンジアップにバットを伸ばし、一塁線にしぶとくはじき返した。ベースカバーに入るバウアーと競争し、足からのスライディングで間一髪、先に塁上を陥れた。アウトをコールした塁審の判定はリクエストで覆り、二塁走者梶谷の本塁生還が認められて、決勝の一塁適時内野安打で潮目を動かした。

初見の好投手対策は基本に忠実だった。試合前練習からコンパクトなスイングをチーム全体で徹底し、打球を逆方向中心に集めた。スタメンシートは岡本和を今季初めて一塁で起用し、三塁には門脇を配置した。原監督は「機動力を使いたかったというところですね」と説明。打撃については「どんなピッチャーにでも対策をしてる。結果がいいと、そう見えるんでしょうけど、まあ、うまい具合にと思いますね」とだけ明かし、詳細はベールに包んだままにした。

6・5ゲーム差で追う首位DeNAに16安打9得点で快勝した。束になって、意思統一された戦法でバウアーを倒した。作戦、投打がかみ合い、大きな1勝を新潟でもぎとった。【為田聡史】

▽大久保打撃チーフコーチ(16安打9得点の打線に)「(プランに)立てたことを忠実に選手がしようとしているのが一番大きいこと。コーチ陣が立てて、監督に許可をもらったプランが一致した攻撃。これを続けていきたい」

▽巨人大城卓(2点リードの6回無死一塁、バウアーから右中間へ5号2ラン)「初見なので追い込まれるまでセンター中心を意識しました」

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