西武にはこの男がいる。

4番に座った中村剛也内野手(39)がさすがの豪快弾を放った。同点の4回。3番外崎の内野安打の後、打席へ。「トノ(外崎)がヒットを打ってくれてたので」。楽天田中将の、胸のラインより上の直球にバットを器用に回した。左中間席への8号2ラン。プロ通算462号本塁打に、背番号60のレプリカユニホームを着たファンが大勢いる左翼席がわきに沸いた。

「打てて良かったです」

いつも通り、淡々と。山川が抹消された。しばらくは間違いなく、この頼れるベテランが獅子の中核を担う。4番打者へのこだわりを問うと、こう答える。

「ないです。もう、ないですね。以前はやっぱり4番打ちたいとずっと思っていましたし、4番で試合に出ていたんですけど、今は特に」

8月に40歳になるが「年齢を重ねるという言葉、好きじゃないです」と言う。節目、という言葉も中村の意識にはない。通算500発は「まだ、まあまあ先の話」と話すなど、さらなる高みへの意欲も十分。3、4月度の月間MVPも受賞した。苦しいチームを、そのひと振りとスマイルで救いたい。

【関連記事】西武ニュース一覧