得点圏の鬼! 阪神近本が、一時勝ち越しとなる適時内野安打を放った。2-2の6回2死二、三塁。ヤクルトの左腕山本から二塁へゴロを放った。猛ダッシュで一塁に駆け込むと、山田の一塁送球が大きくそれて、二塁走者も生還。自身も二塁に進んだ。「西さんがつないでくれたので、なんとかという思いでした。いい当たりではなかったですが、タイムリーになってくれてよかったです」。直前に二塁打でチャンスメークした先発西勇の思いを背負い、バットを振った。

この一打で得点圏打率は5割に到達。「しっかり打つだけなんで」と言葉少なだったが、4割5分8厘で2位のDeNA宮崎を大きく上回るクラッチヒッターぶりを発揮。打点も1番ながら、24打点目を記録し、主軸の佐藤輝、大山に次ぐチーム3位だ。3回にも中前打を放ち、今季16度目のマルチ安打となった。

オールスターのファン投票では、前日まで最多のパ・リーグ捕手部門オリックス森の5万4910票を上回る5万5596票を獲得。両リーグトップの得票数に躍り出た。神宮の虎党に、人気の理由を実力で示した。【波部俊之介】

○…梅野が序盤の流れを呼び込む同点打を放った。大山、佐藤輝の連打などで1死満塁とした4回。フルカウントから先発吉村の125キロスライダーを捉え、二遊間を抜く2試合連続の安打を決めた。今季全試合でバッテリーを組む先発西勇を援護する適時打。「みんなでつないでつくったチャンス。西さんも頑張ってくれていたので、どんな形でもランナーをかえしたいと思っていた」と会心だった。

○…木浪が今季9度目のマルチ安打をマークした。同点に追いついた直後の4回1死満塁。7打数無安打と抑え込まれていた先発吉村の直球を捉え、三遊間を破る適時打を放った。「追いついた直後のいい流れ。ゲッツー崩れでもいいくらいの気持ちで必死に食らいついた。タイムリーになってくれてよかった」。同点の6回には左腕山本から三塁線を抜く2本目の安打で出塁し、一時勝ち越しを演出した。