優勝を決めていた青学大が、亜大に2連勝し、10勝1敗で勝ち点5を挙げ、05年秋以来の完全優勝を達成した。

主将の中島大輔外野手(4年=龍谷大平安)は「素直にとてもうれしい。リーグ戦は、開幕戦の1敗からスタートして、正直、不安との闘いでした」と、振り返った。今春のオープン戦もほとんど勝てなかったチームが、「悪い時を知っているからこそ、上げていくだけ」と前を向き、全員で1つの勝利に集中した。

どんな時も、チームの勝利が優先だった。この試合は1-0で迎えた6回。2死二塁から打席には、3番・小田康一郎内野手(2年=中京)。ネクスト・バッタースボックスには、打点10でリーグ1位に並ぶ4番・西川史礁内野手(3年=龍谷大平安)。西川は3冠王の記録もかかっていたが、「持っていけ!」と小田に声をかけた。小田は「西川さんからしたら、自分が打てば打点では負けてしまう。今までも記録に関係なく、チームの得点を求めてきた。僕はその声に助けられました」。迷いが吹っ切れた小田は、右越え適時打を放ち、貴重な2点目を挙げ、この打点で西川を上回り、単独首位となった。

安藤寧則監督(46)は「キャプテン中心に、常に前向き。心が折れそうな時もあったと思う。でも、それを見せずに1人1人がやってくれた」と、チーム力の強さを評価した。

6月5日からは全日本大学野球選手権大会が始まる。中島は「東都の代表として出させてもらうので、全力プレー、恥じないプレーはもちろん、日本一を目指して1つずつ積み上げて行くだけ」と、気を引き締めた。