阪神タイガース親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)の株主総会が16日、大阪市で開催される。例年は株主から猛虎愛にあふれた質問や珍質問が飛び交うことで有名な梅雨時の風物詩だ。

昨年の株主総会は厳しい声が飛んだ。開幕から9連敗など歴史的な大コケ。昨季限りの退任を表明してシーズンに臨んだ矢野監督に対しては、ある株主が「あんな自分勝手な人おらんですわ」と痛烈に批判。さらに「次誰なるんかが気になる。そればっかりが気になって野球なんかはどうでもいい」と詰め寄るシーンもあった。

大荒れ必至だった昨年とは違い、今年は岡田監督のもと18年ぶりの「アレ」を目指してリーグ首位を走る。タイガースを愛する株主からは、どのような質問が飛び出すか?

 

 

《阪神株主総会アラカルト

▼上機嫌 03年、首位を独走する中で行われ、出席した株主からは「もう優勝は間違いなし。株価も上がるのでは」「今年は総会に来るときの気分が違うね。毎年こうやったらいいのに」と景気のいい言葉が相次いだ。

▼売却否定 07年、阪急HDと阪神電鉄の経営統合後、初の総会。「(阪急はかつて)ブレーブスを売却したことがある。阪神タイガースも売却されるんじゃないかと不安を持っている」との質問に角社長が「売却することは、まったく頭にありませんし、そんなバカな経営者はいない」と否定し、会場からは拍手。

▼外ればかり? 09年、前年のフォードに続き、新助っ人メンチが不振で、株主の1人が「新人も含めどんなポイントでスカウトしているのか。全く分からない。外ればかり取っている」と痛烈批判。南球団社長も「本当にふがいない成績で申し訳ない」とざんげ。

▼不良債権? 12年は外部から補強した城島、小林宏について「活躍していない。給料は高いのに不良債権を抱えているだけ」と手厳しい言葉が飛んだ。

▼「超変革」支持 16年は金本監督の進める「超変革」を称賛する意見が次々。「負けが込む時期もあるけど、若手を使ってようやってることは目に見えている」と絶賛する声も。

▼車両の色に不満 17年、ある株主が阪神電鉄の車両にオレンジ色が使われていることに「名前も言いたくないあの球団(巨人)の色は変えることはできないか」と質問。電鉄側は「現状の色のままでいきたい」などと返答した。

▼回転ずし? 19年、ドラフト戦略に触れた1人の株主が「回転ずしなら大トロやウニの皿があるのに、タコやイカの皿から取っている。なぜこのようなドラフトを続けるのか」と質問。「今季は守る野球、センターラインを重視したドラフトでした」と返答。

▼藤浪君は悪くない 20年、藤浪ら3選手が球界初のコロナ感染者に。感染しやすい状況に身を置いたことで、多方面に影響を及ぼした。ある男性株主が「藤浪君は悪くない。周りがチヤホヤさせすぎや」と指摘した。

▼文句なし 21年はルーキー佐藤輝の活躍もあり、チームは首位を独走。質疑応答では14人の株主から21件の質問があったが、阪神球団に関する質問が出ることは最後までなかった。