ソフトバンクが総力戦で今季7度目のサヨナラ勝利を飾り、連敗を止めた。

延長11回2死満塁、周東佑京内野手(27)が左前に劇的打。負傷の近藤に代わって途中出場した男が、4時間12分の激闘に決着をつけた。投げては9回から登板した守護神ロベルト・オスナ投手(28)が、移籍後初となる執念のイニングまたぎ。2回無失点で8ホールド目を挙げた。「鷹の祭典2023」の最終戦で初勝利を飾り、同イベントを1勝8敗で終えた。

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ヒーローになる数秒前、周東は打席でしゃべっていた。「『大丈夫だ大丈夫だ』と口に出しながら。普段は言わないです。初めてです」。念じた。その直後の一振りで試合を決めた。5-5の延長11回2死満塁。ロッテ沢村の151キロを左前に運んだ。

今季7度目のサヨナラ勝利だ。過去6度は快足を飛ばして真っ先にヒーローに抱きついてきたが、この日は自分がもみくちゃにされた。「やっと終わった…と思いました」。スタメン出場した近藤が右膝付近を負傷したことにより、7回の守備から途中出場。近藤の無念を背負い、4時間12分の激闘に決着をつけた。

最大3点差から8回に長短打3本などで追いついた。その反撃ムードを加速させたのが守護神オスナだった。9回を3人で終わらせ、延長10回のマウンドにも上がった。ロッテに所属した昨季以来のイニングまたぎを志願した。「チームがこういう状況だから今日は何としても勝つんだという気持ちを、自分の投球、姿で示したかったんだ」。執念の33球で2回無失点。今季8ホールド目でサヨナラ勝利を呼んだ。

藤本監督も「オスナの気持ちで流れが変わった。当然1イニングしか考えてなかったけど、本人が『投げさせてくれ』ということでね」と最敬礼だ。シーズン序盤には志願して“禁断の3連投”もあった右腕。V奪回への思いは強く、「負けられない試合が続いていくけど、チームのために全力で頑張っていくよ」と頼もしい。

「鷹の祭典2023」は最終戦で初勝利。今季の同イベントを1勝8敗で終えた。海野を除く野手15人が出場して白星をもぎ取った。総力戦をものにした藤本ホークスが、勝負の8月戦線に向かう。【只松憲】

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