夏男に変身や!

阪神佐藤輝明内野手(24)が決勝打を含む2安打1打点で長期ロード勝ち越し発進に貢献した。入団から夏場に成績を落としていたが、8月3試合で11打数5安打5打点で打率4割5分5厘と好調だ。プロ通算200打点も記録。2位広島に1・5ゲーム差とし、さあ次は4日のDeNA戦。13連敗中の鬼門横浜スタジアムでも、大暴れしてくれ。

  ◇  ◇  ◇

速い。佐藤輝の打球は一瞬で一、二塁間を抜けた。中日二塁手福永が腕を伸ばしても届く気配はなかった。右手ひとさし指を掲げ、三塁側ベンチの仲間にアピール。3回の先制打が、今季6度目のV打になった。

「飛んだコースがよかったですし、とにかくタイムリーになってよかったです」。3回2死一、二塁。仲地の146キロをしばいた。「良い当たりではない」というが、それでも球足の速いヒット。右前適時打は5試合連続の安打となった。激走ホームインの二塁走者森下へ「翔太がよく走ってくれました」と感謝も忘れない。前夜は森下、大山、佐藤輝の3人で1安打に終わったクリーンアップが、反撃に出た。

修正が生きた。初回は2死一、三塁で高め152キロに空振り三振。「高めは噴き上がる感じがあったので、そこは気をつけていました」と、初対戦の竜のドラ1右腕を分析していた。5回には中前打でマルチ安打をマーク。4連打の仲間に加わり、この回一挙3得点を演出した。

悪夢を忘れない。プロ1年目の21年。8月下旬から59打席連続無安打のセ・リーグワースト記録をつくった。大不振で2軍落ちも味わった。プロ3年目。同じ轍(てつ)は踏まない。睡眠は8時間以上をキープ。「寝るのは大事ですから」と体力を蓄える。

8月は3試合で11打数5安打、打率4割5分5厘、1本塁打、5打点と最高のスタートを切った。プロ通算200打点に到達し「どんどん積み重ねていけるように」と力を込めた。絶好調。この勢い、簡単には止まりそうにない。

3カード連続勝ち越しで、長期ロード最初のカードを2勝1敗発進。バンテリンドームで2カード連続勝ち越しは17年以来、6年ぶりとなった。勢いに乗って昨年6月28日から13連敗中の「鬼門」横浜スタジアムに乗り込む。「そろそろ勝ちたいな」と背番号8からは本音もこぼれ出た。2位広島が引き分け1・5ゲーム差に拡大。じわりじわりと、虎が引き離しにかかる。【中野椋】

【関連記事】阪神ニュース一覧はこちら―>