DeNAトレバー・バウアー投手(32)が、疲れ知らずの快投で8勝目を挙げた。4回2死まで無安打投球を続けるなど序盤からリズムよくアウトを重ね、7回4安打無失点。10三振を奪った。前回登板の3日広島戦は延長10回123球を投げたが、中5日で迎えたこの日もスコアボードに「0」を並べた。本拠地ハマスタでは6勝目となり、外国人のシーズン最多記録に並んだ。

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7回無失点、10奪三振。先発として十分な結果をマウンドに刻んだバウアーは、それでもなお余力を残した。「120でも140でも、200球でも問題なかったと思います」。3日の広島戦で延長10回123球を投げ、中5日で108球。前回と同じく、最後の回にこの日最速タイの154キロを計測した。横浜スタジアム最多観衆を数えた3万3283人の、熱視線を一身に浴びた。

ゲームを支配した。「球もよかったし、四球がなくて三振も取れた。体の状態もすごくよかった」。1回、2回をたった5球ずつで料理。1回1死では、強襲のワンバウンド打球をノールックで背面キャッチする美技を見せた。「新鮮に見えたかもしれないけど、ずっと練習していた捕り方」と真顔で答えた。

前回は10回を0点に抑えても援護がなかった。「自分がホームランを打って点を取れればよかった。バッティングの練習をしようと思う」と冗談を飛ばしていたが、今度は野手が大量点で応えてくれた。バウアーも3回は四球で出塁して牧の適時打で生還。4回無死一、二塁では初球をきっちり一前に転がし、今季4つ目の犠打を成功させてビッグイニングに貢献した。

開幕後に加入し、5月に1軍デビューしたにもかかわらず、早くも8勝目。ハマスタでのシーズン6勝は、14年モスコーソに並んで外国人最多となった。104回2/3で規定投球回にも再び乗り、「できれば180回を達成したい」とまだまだ投げ足りない。「暑さも湿度も楽しもうと思っている。イニング間でも体が温まったままだし」と、蒸し暑い日本の夏も苦にしない。

チームは7月28日以来の連勝で、4カードぶりの勝ち越し。「野手のみんなが守備でもいいプレーを見せてくれた。チームで勝ち取った勝利。こういう試合の後はロッカーの雰囲気がいい。ロッカーに戻って大きな音楽が流れるのが楽しみ」。自分1人で勝ったわけではない。それがまた、うれしい。【鎌田良美】

○…先発野手全員を含む、2日連続の2ケタ安打で大勝した。1回に宮崎が左前打で先取点を挙げた。先制したのは11試合ぶりだった。前夜に同点打と勝ち越し打を打った牧は、この日も3連続適時打で3打点。8日は夫人の誕生日だったが「今日は地元からいとこが来てくれました。遠くからありがとう!。 それとお師匠の大和さんの息子が誕生日でした!」と、またも白星で祝った。

▽DeNA三浦監督(バウアーに)「完璧でしたね。相手がファーストストライクを狙ってくる中での入り方がよかった。場面、状況を見ながら投球していた」

【動画】DeNAバウアー見事なノールック背面キャッチ 涼しい顔でメジャー流のプレー