日本野球機構(NPB)は14日、前日13日の巨人-DeNA18回戦(東京ドーム)で起きた「観衆の妨害」について、ファンへ異例のお願いを出した。

4回裏、巨人坂本勇人内野手(34)の打球はレフトフェンスを越えるか、どうか際どい当たりとなった。二塁塁審は、フェンス上段に打球が当たったとして「インプレー」と判定。これに対し、原監督がリクエストを求め、検証の結果「打球はフェンスを越えていないと判断し、判定通り二塁打」として試合が再開された。

一方で、リプレー検証の際、レフトスタンド最前列の観客がフェンスを越えて手を差し出し、その手に打球が触れたことが確認された。公認野球規則6.01(e)が定める「観衆の妨害」に該当。ボールに触れた時点でボールデッドとなり、もし妨害がなかった場合はどうなっていたかを判断し、ボールデッド後の処置をとるとされている。

今回のケースでは、観客の手がボールに触れてはいたが、そもそも打球がフェンスを越えていないので二塁打とするという判断だった。

ところが、リプレー検証後の審判員による場内放送では「観客の妨害がありましたので、オーバーフェンスとせず、二塁打として試合を再開します」と流れた。「観客の妨害があったので、本塁打が二塁打に変更された」とも解釈されるものだった。

NPBは一夜明けたこの日、声明を発表。まず、インフィールド内に手を差し出す行為に関し「観客の皆さまにはそのような行為がないようご注意いただき、今後も変わらないご声援をお願いいたします」と呼びかけた。

その上で、前日のリプレー検証後の場内放送について言及。「誤解されかねない表現」だったとして「NPBでは、ファンの皆さまに一層分かりやすい場内放送を実現するよう、研修会などを開催し努力して参ります」とした。

セ・リーグの杵渕統括は「説明が適切でなく、誤解を生む場内放送になった。『リプレー検証の結果、観客の手に触れたことが確認されましたが、打球そのものがフェンスオーバーしておらず、二塁打として再開します』といった説明が適切だった」と話した。