明大が春優勝の底力を見せつけ、早大に勝利。1勝1敗とした。

先制されても、すぐに追い付き、流れは渡さなかった。1点先制されて迎えた1回裏、1死二塁から宗山塁内野手(3年=広陵)の左前適時打で追い付くと、3回には無死一、二塁から4番・上田希由翔内野手(4年=愛産大三河)の右前適時打で勝ち越し。4回、8回にも得点を重ね、粘る早大を振り切った。

投げては、ドラフト候補に挙がる石原勇輝投手(4年=広陵)が制球よく内外角に投げわけ、打たせてとった。「真っすぐの質がよかったと思います」と5回2/3を投げ4安打2失点と試合を作り、リリーフ陣につなげた。

春の悔しさが、秋の投球を後押しした。石原は5月14日の早大戦で先発し、6回を投げ3安打3失点で降板。勝ち星はついたが、3失点は、春の5試合登板の中で最多失点。「悔しかった」と振り返る。だから、この試合での先発も「6回以上投げる」が課題だった。1回が終わるごとに、田中武宏監督(62)に「どうする?」と問われ、「まだです。6回以上は投げたいです」と言い切り、腕を振った。しかし、6回2死から早大の印出太一捕手(3年=中京大中京)にシュート回転した直球を右前に運ばれ1失点。マウンドを降りた。「悔しい。これが今の自分の実力かな、と思います」と今季初勝利にもと反省点を口にした。

それでも、この力強い真っすぐと制球力に、プロは熱視線を送る。視察した日本ハムの山田アマスカウト顧問は「4年生になってまた伸びてきている。コントロールがいい。左打者のインコースに捕手が要求していてもしっかり投げきれる」と、高く評価した。

プロ志望届も提出済み。石原は「(ドラフトは)意識せずに。優勝したいという気持ちでやっている」と、しっかりと前を向いた。