ギータから下克上物語のスタートだ! クライマックスシリーズ(CS)は14日にファーストステージ(3試合制)が開幕する。ソフトバンク柳田悠岐外野手(35)はポストシーズンで本塁打を打てば11戦11勝の神話を引っ提げ、ロッテとの第1戦で「令和の怪物」こと佐々木朗にぶつかる。2年前には自身のバットでプロ初黒星をつけた相手。「風が味方になることを祈ります」とギータ節もさく裂させ、泰然自若に構えた。

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決戦の地・ZOZOマリンで柳田は気持ち良さそうにバットを振っていた。全体練習のフリー打撃では40スイングで9本の柵越え。フェンス直撃の打球は半数近くあった。今季ビジター球場では最多の4本塁打。「いやもう風が味方してくれるように祈ります。今から祈ります」。短期決戦で重要なことを問われると「健康で試合に臨むということが一番大事です」。ギータ節をさく裂させてチーム宿舎に戻った。

CSファーストステージの初戦の相手はロッテ佐々木朗に決まった。今季の柳田は11打数1安打と苦しめられているが、21年6月24日には先制ソロに決勝打と打ち込み、プロ初黒星をつけた。最速165キロの剛腕との対決を前に「打席に立ったら必死にいきます」。キャプテンの自覚をにじませた。

神話継続にも期待だ。日本シリーズを含めて柳田がポストシーズンで本塁打を打てば11戦11勝。昨季のファーストステージでは西武戦で2試合連発。2連勝でファイナルステージ進出に導いた。「たまたまです。普段通りにという気持ちでいます」。データには無関心だったが、主砲の一打が勝利に直結してきた。

ソフトバンクはレギュラーシーズン全日程終了後、1試合を残していたロッテに2位の座を奪われた。勝率わずか1毛差。本拠地・福岡でのCS開催を逃した。「これが今の実力。よく言いますけど、失うものは何もない。挑戦者の気持ちでやるだけ」。現実を受け入れ柳田は腹をくくった。【只松憲】

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