大院大の真鍋魁投手(かい、4年=西条)が投手戦を制し、大学初完封勝利を挙げた。

「最初で最後の完封。やっと達成できた」と語った右腕は、9回以外は走者を背負うも、打たせて取る粘りの投球で要所を締めた。

リーグ戦終了をもって、選手としての野球を引退する予定。最後になるであろう大学ラスト登板だった。だが、その姿を家族が見届けることはかなわなかった。

「僕の地元(愛媛県・西条市)がちょうど祭りで(笑い)。それで来られないことは、聞いていたんで。大学まで野球をやって、好き勝手やらしてもらいましたし、いい報告はしなきゃいけないし、ここで負けたら示しがつかない。大学を決める時も『本当にそこに行くの』って、僕が押し切ってここに来た」。

1年から試合に出場した右腕は、2年秋に肩のけがから戦線離脱も経験した。「完璧かと言われたら、完璧ではないかもしれないですけど(笑い)。(4年間で)野手とのコミュニケーションが増えて、成長できたのは一番大きいです」。仲間と、300キロ離れた家族へ、感謝を伝えた。

すでに、草野球チームへの誘いが届いており、卒業後、再び腕を振る日が来るかもしれない。「できるのであれば、そこでやりきりたい」と明かし、球場を後にした。【中島麗】