これぞ、スペードのエースだ。阪神桐敷拓馬投手(24)が2回無安打無失点、3奪三振の快投でCS初白星を挙げた。2-2の同点の6回から登板。3者凡退とし、直後に坂本の勝ち越し打で1点リードの展開も「心の準備はしていました」。ポストシーズン初の回またぎも動じなかった。

7回1死で野間に四球を出すも、小園を内角148キロツーシームで空振り三振。最後は堂林を140キロのフォークで空振り三振に斬り、ガッツポーズを決めた。「強気に内角を攻められたので、他の球も有効に使えた」と納得顔だ。

岡田監督から「スペードのエース」と称される左腕。指揮官は「何が良くなったのか分からないですけど、(中継ぎの)ポジションが合ったみたいで。2イニングで酷だったけど、流れがくるピッチングをしてくれた」とたたえた。

投手MVPを問われた将は「誰にしようかな。うふふふ。全員ですけどね」と迷いながらも「今日一番大事なところで2イニング投げてくれた桐敷に」と名前を挙げた。左腕も思わず照れ笑い。「うれしいですけど、他の先輩方もいるので…。ありがたいことです」と謙遜した。

首脳陣の信頼も分厚く、CSでも躍動。日本シリーズでも欠かせない存在となった。「厳しい戦いも続くと思う。短期決戦で1人1人、チームのために腕を振っていきたい」。慢心せずに臨んでいたプロ2年目が赤丸急成長。日本シリーズも流れを渡さない投球を誓った。【三宅ひとみ】

【関連記事】阪神ニュース一覧はこちら―>