さあ、甲子園で日本一を一気につかみにいく。

31日の日本シリーズ第3戦からの3試合は、指名打者制のないセ・リーグ仕様。30日に本拠地での全体練習を見守った岡田彰布監督(65)はシーズン同様の普通の野球を強調。不振のルーキー森下翔太外野手(23)の3番継続起用を示唆。セを圧勝した不動のオーダーで一気の3連勝を果たし、85年以来の頂点へ登り詰める。

   ◇   ◇   ◇

1勝1敗で甲子園に帰ってきた。岡田監督は「やっと普通通りにできるやん。DHもないし」と、穏やかに笑った。3連勝で突破したCSでも野手8人は不動。日本シリーズ第3戦も同様に8人がスタメンに名を連ねる。「そら、やりやすいよ。オレはずっとDH反対なんやから」とニヤリ。第1戦前日には「普通になんかでけへん」と独特のムード、緊張感のある舞台と話していた。だが「今度こそ普通通りにできるんじゃない? この2試合やったおかげでな。地元で、土のグラウンドで」。岡田采配も投手交代、代打なども普段通りのリズムでできる。

2試合で9打数1安打の3番森下も代えるつもりはない。第2戦ではエンドランで右飛を打ち上げるなど、結果を求めるあまりチーム打撃がおろそかになっていた。「まだ1年目やからな。最初は野球の教育やから。親が子どもに教育しているのと一緒や。野球を教えたらなあかんのよな。だからゲームの中に入ると、団体競技やから、1人そういう違うことをやったらいかんから、それは早く今のうちにわからせなあかんから」。打撃コーチを通じて打席での考え方などの再教育し、3番起用を継続する方向だ。

敵地での1勝1敗は想定内で、オリックスの現状を探ることもできた。「結構、出たからな。よかったけど。だいたい打たれているとこは一緒やもんな。甘かったら打たれるいうことや」と、相手の野手が多く登場し、傾向もつかんだ。

屋内だった2戦目までと違い、甲子園でのナイターは寒さも予想される。10月末以降の甲子園でのナイターは14年にシリーズ出場経験のある梅野しか知らない。指揮官は「どうやろ。寒いかもな」としながらも「気持ち入ってたら寒いとかないやろ、選手は」と、ナインはアドレナリン全開で関係ないはずと期待する。先発は伊藤将、才木、大竹を送り出す。常に超満員、大声援の甲子園に慣れているナインが、普通の岡田野球で、日本一へ白星を積み重ねる。【石橋隆雄】

【関連記事】阪神ニュース一覧