豪快弾待っテル! 阪神佐藤輝明内野手(24)が30日、日本シリーズの「ノーアーチ地獄」を打破する覚悟を示した。第3戦を翌日に控え、本拠地甲子園でのフリー打撃でスタンドインを量産。両軍合わせて第1戦から2試合連続で本塁打が出ておらず、第3戦までノーアーチならシリーズ史上初となる。

阪神に限れば、05年の第1戦から通算11試合連続ノーアーチで、シリーズのワースト記録を更新中。本塁打への意欲を問われると「もちろん、あります」と即答だ。「もっと、どんどん大事な試合になってくるんで。長打がほしいですね」。頂上決戦に本塁打は欠かせないと自覚している。

風の幻惑にも負けない。普段は右翼から左翼方向へ左打者が不利になる「浜風」が吹くのが、甲子園の特徴。秋になると外野全方向へフォロー風となる「秋風」が吹くこともある。ただ、試合中に「浜風」に戻るなど、風向きが変わることもあるだけに「風は吹いてくれなくていいんで。止まってほしいです」。風に頼らず、自慢の怪力を発動させる準備はできている。

岡田監督も「先発ピッチャー、ええピッチャーきたら、ホームラン打てるようなボール来えへんぞ。そんなのは。はっきり言って。一番気をつけてるわけやんか、ホームランとかそういうのは、そら1人で1点入るわけやからな」とつなぎの野球を意識するが、1発が勢いを生むことは言うまでもない。2試合連続安打中の背番号8に「1号」の期待が高まる。

1勝1敗で迎える聖地での決戦。佐藤輝は「アドバンテージなんで、強気に戦っていきたい」とホームの大歓声を力に変えるつもりだ。「ピッチャーも気持ちを入れて投げてくるんで、それに負けないようにしたい」。甲子園3連勝なら38年ぶりの日本一が決まる。みんなが、その時を待っている。【中野椋】

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