4番が決めた!! 阪神が死闘の末に劇的サヨナラ勝利を飾り、2勝2敗で五分に戻した。日本シリーズでのサヨナラ勝ちは03年ダイエー戦の第4戦の金本の本塁打以来、20年ぶり球団4度目だ。

3-3の同点の9回、1死から近本が四球で出塁。続く中野の打席でワゲスパックの暴投により一走・近本が二塁に進塁。さらに暴投で三塁に進塁した。中野はそのまま申告敬遠。続く森下も申告敬遠で球場が異様な空気に包まれる中、4番大山悠輔が満塁でフルカウントから左前へのサヨナラタイムリーを放ち、右拳を一塁側ベンチへ突き上げた。球場はスタンディングオベーションでお祭り騒ぎとなった。

先発した才木は本調子ではない中で踏ん張り、5回1失点と力投した。初回は難なく3人で片付け、1点リードの2回は先頭の頓宮にいきなり左中間への三塁打を浴び、1死三塁から紅林に右前へのポテンヒットで同点に追いつかれた。3回は無死一、二塁のピンチを背負うも、森を遊ゴロ併殺打、頓宮を空振り三振に斬って無失点。4、5回もピンチを背負ったが、粘りの投球で得点を許さなかった。

打線は初回に1死二塁から3番森下が左中間への適時二塁打を放ち先制。2回に同点に追いつかれたが、その裏2死一、二塁から近本が左前への勝ち越しタイムリーをマークした。1点リードの5回には1死一、三塁から4番大山の遊ゴロでの併殺崩れの間に1点を追加した。

2点リードの7回には2番手桐敷が1死二、三塁から宗に中前への同点適時打を許し、相手に流れが傾きかけた。8回には2死一、三塁の絶体絶命のピンチで左脇腹筋挫傷から復活した湯浅が6月15日オリックス戦以来の1軍戦に登板し、わずか1球で中川圭を二飛に仕留めてチームに流れを引き寄せた。総力戦で絶対に負けられないゲームをものした。

▼4番大山悠輔がサヨナラ安打。シリーズのサヨナラ勝ちは22年5戦のオリックス(吉田正のサヨナラ本塁打)以来42度目で、阪神では62年1戦吉田(二塁打)03年3戦藤本(犠飛)同4戦金本(本塁打)に次いで20年ぶり4度目となった。4番打者のサヨナラ打は前記吉田正以来7人目で、阪神の選手では初めてだ。

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