楽天の複数選手がチームメートの安楽智大投手(27)からのパワーハラスメント被害を訴えていることが24日、関係者への取材で分かった。森井誠之社長(49)は「今、いくつか耳に入ってきています。事実認定が難しい現状の中で、本人を含めたヒアリング、事実関係の調査を球団としてしっかりやります」。事態を重く見た球団側は、当該選手や周辺への聞き取りを進める予定だ。

関係者によると、後輩選手への暴言や人格否定などが日常的に繰り返されていたといい「あれはいじめです」との声もある。また食事会の誘いを断ると、その日の深夜に執拗(しつよう)に電話をかける行為もあったとみられる。さらに球場のロッカールーム内で若手の衣服を脱がせて下半身露出を強要し、笑い者にしていたという証言もある。

さらに、すでに退団したある選手は「(頭部を)平手打ちされて、むち打ちみたいになった。その後の練習にも支障をきたし、精神的な苦痛を受けた」と明かした。

森井社長は「大前提としてハラスメントはどんなことがあっても許してはいけない。これは間違いない」と語気を強めた。その上で「しっかりと調査するのが次のステージです」と迅速に対応する姿勢を示した。

◆安楽智大(あんらく・ともひろ)1996年(平8)11月4日、愛媛県生まれ。済美では2年春夏に甲子園出場。14年ドラフト1位で楽天入り。15年10月5日ソフトバンク戦でプロ初登板初勝利。21年からセットアッパーに定着し、3年連続で50試合以上に登板。通算231試合、18勝21敗、3セーブ、50ホールド、防御率3・59。186センチ、87キロ。右投げ左打ち。今季推定年俸3700万円。