プロ注目の最速152キロ右腕、立命大の長屋竣大投手(3年)が浜松開誠館(静岡)出身初のNPB選手を目指す。

高校時代はNPB出身の指導者に囲まれていた。内野手だった高校1年生、転機があった。同校の佐野心監督(56=元中日)の父で、長屋が「恩人」と表現する佐野真樹夫氏(80=元広島)から告げられた投手転向だった。

投手の「いろは」は古池拓一投手コーチ(52=元中日)に教わった。中でも当時の同校臨時コーチ、日米通算2106安打の中村紀洋氏(50=元近鉄)から受けた金言を今も貫いているという。

「ホームベースを見て投げてみな」

足を上げる際の目線の向きについて助言を受けた。

「投手には足を上げる時、ずっとホームベースを見る投手と目線を切らす(三塁方向を見る)投手がいて…」。元々、長屋は後者だった。「知識もなかったので、とりあえずそれをやってみたら(以降は)そんなにコントロールに困ったことがない」と一気に制球力がアップした。

高校3年夏には最速146キロの直球をひっさげ、同校初の静岡県大会準優勝に導くエースに成長。高校卒業時には周囲から「プロに行ける」と認められるまでになった。

当時から変わらない2段モーションで、最大の強みはどの球種でも同じ腕の振りで投げ続けられること。「リーグでは(各大学から)5勝したい。負けるのは大嫌いなので」。強気な姿勢を見せつつ「プロで活躍するのが一番、その方々(これまでの指導者)に喜んでもらえる」と感謝も忘れない男だ。【中島麗】