昨夏、創部初の甲子園に出場した東京学館新潟から涌井陽斗投手、込山優気投手、遠藤蒼太内野手、宮嶋幹人内野手(いずれも3年)の4人が、関甲新学生野球1部の新潟医療福祉大に進学する。初出場の甲子園では1回戦で市和歌山に4-5で惜敗も接戦を演じた。同校野球部の“新時代”を切り開いた新潟県出身の主力、カルテットが次は大学野球の聖地、初の「神宮」を目指す。【大島享也】

 

【涌井陽斗投手】エース左腕の涌井が大学でも腕を振り続ける。抜群の制球力で打者を打ち取る投球スタイル。加えて強気に内角を攻め込むマウンド度胸もある。甲子園では1-5の6回表から3番手で登板し、4回を4安打3奪三振で無失点。反撃の流れを作った。「甲子園に行って、すごく野球が楽しいと改めて感じた。上のレベルでも自分の力を試してみたい」と甲子園での投球が大学でも原動力になる。控えめな涌井は周りにつられるように「自分もベストナインとリーグ優勝で(笑い)」と目標を掲げた。マウンドでは気迫を前面に出すエースが大学でもチームを勝利へけん引する。

 

◆涌井陽斗(わくい・はると)2005年(平17)4月7日生まれ、新潟・新発田市出身。175センチ、83キロ。左投げ左打ち。

 

 

【込山優気投手】高校時代に磨き上げたマウンド度胸を次のステップでも発揮する。アンダーハンド右腕の込山は昨夏の中越との新潟大会決勝で4-5の9回表から4番手で登場。1死満塁のピンチを背負いながらも無失点で切り抜け、甲子園初出場に貢献した。「正直、めっちゃ焦りました」と笑って振り返るが「その時の映像は何回見ても鳥肌が立つ」と言う。甲子園では1回戦で敗退し登板はかなわなかったが、次の舞台ではマウンド上で自身が輝く姿を目指す。「高校の時は涌井とかの陰に隠れていた。大学では自分が先頭に立って、リーグで優勝したい」と力強く言った。

 

◆込山優気(こみやま・ゆうき)2005年(平17)12月20日生まれ、新潟・燕市出身。181センチ、70キロ。右投げ右打ち。

 

 

【遠藤蒼太内野手】勝負強い打撃を武器に存在感を示していく。高校では主に4番に座った遠藤は昨夏の新潟大会で打率4割2分1厘をマーク。甲子園でも1点を先制された直後の1回裏に左中間へ同点二塁打を放つなど4打数2安打で2打点と活躍した。誰よりも目立つことが好きな遠藤は「木製バットにずっと憧れていた。道具も高校よりは少し派手に出来るので、そこも楽しみ」と遊び心も忘れずに大学野球に打ち込む。大学での目標を聞くと「自分、いいですか」と遠藤が4人の先陣を切った。「チームでは神宮に。個人ではリーグでベストナインを取りたい」と堂々と宣言した。

 

◆遠藤蒼太(えんどう・そうた)2005年(平17)7月17日生まれ、新潟・南魚沼市出身。172センチ、83キロ。右投げ右打ち。

 

 

【宮嶋幹人内野手】宮嶋は高校で野球を辞めるつもりだった。だが3人が野球を続けることを知り「自分もまだやりたい」と再び、野球熱に火がついた。高校では遠藤の次を打つ5番打者としてチームの中軸を担い、甲子園では2打数1安打。だが1回戦敗退に「悔しかった」と話した。だからこそ、次のステップでは「自主性を大事にする大学なので、自分で考えて、しっかり練習していきたい」と意気込む。野球以外にも目標がある。「体育の先生になるために教員免許を取りたい。いずれは野球の指導もしたい」と野球の指導者も志す宮嶋は、文武両道で大学生活を充実させる。

 

◆宮嶋幹人(みやじま・みきと)2005年(平17)8月5日生まれ、新潟・胎内市出身。176センチ、76キロ。右投げ右打ち。