慶大・清原正吾内野手(新4年=慶応)が大学ラストイヤーに中軸を任される可能性が出てきた。

26日、鹿児島・枕崎市内で行われた「薩摩おいどんカップ」の青学大戦に5番一塁で出場。第1打席で三塁強襲安打を打つと、9回に第4打席が回った。

8回の守備を終えると「よっしゃ、行くぞ行くぞ行くぞ行くぞ!」と叫びながらベンチへ戻り、士気を上げた。そうして迎えた第4打席は痛烈な打球だったが、惜しくも左飛。「あ~」と手のひらをパチッと合わせて悔しがった。

「あの打球、良かったですね。芯でしたし。運良ければ(本塁打)って感じでした」

おいどんカップは3試合連続で5番スタメンで、このまでで計5安打。試合は敗れたが「今の段階では順調かなと思います。春に上げてもっとレベルを上げていきたい」と晴れやかな表情を浮かべた。

父清原和博氏(56)譲りのスター性でわかせた。九州最南西端の球場に500人近くが集まった。カツオ漁業が盛んな港町だけあって「枕崎鰹節」と書かれたジャンパーをまとう人もいた。清原が打席に立つと熱気が上がり「息子か」「いよっ!」「男前だな」「(背番号88は)米寿か」などスタンドは多くの笑顔にあふれていった。

清原は集中しており、1つ1つの声までは耳に届かなかった。それでも空気がうれしい。

「いやぁ、ほんと、鹿児島あったかいです。気温もあったかいですけど、人も、周りの方々もみんなあたたかくて。応援に来てくれるのもうれしくて。野球部の目標が『応援されるチームになろう』なので。鹿児島に来ても野球部を応援してくれる方々に感謝したいですし、そういう方々のために、やっぱりリーグ戦、結果出したいです」

話題性にとどまらない。おいどんカップでは3戦連続の「5番一塁」のスタメンで、24日の福岡大戦では3安打。堀井哲也監督(62)も「彼がクリーンアップの一角を打ってもらわないと」と主軸候補として期待を寄せるまでになった。父の元同僚でもある西武秋元スカウト育成・統括ディレクターは「走った時の背中の感じとかお父さんにそっくり」と目を細める。満開の清原を、神宮で。春が近づいている。【金子真仁】