16年に智弁学園(奈良)でセンバツ優勝投手となった阪神村上頌樹投手(25)が、ブラスバンドの演奏が響く甲子園の隣、室内練習場で臨戦態勢を整えた。

「今日、開会式だったので。自分もこの後に試合してたなあと思いながら」。当時は福井工大福井との開幕戦で大会第1球を投げた。そんな思い出を胸に、先発予定の19日ソフトバンク戦(ペイペイドーム)へ向け調整。開幕2カード目、4月2日のDeNA戦(京セラドーム大阪)での先発へ、これが最後の1軍ゲームとなる。

相手に不足はない。近藤、柳田、山川とタカ打線には強力メンバーが並ぶ。「打線強いなあ…というイメージはあります。逃げないように。攻めたピッチングができたら」と真っ向勝負の構え。「ここで打ち取ることができれば自信になるし『今年もいけるんじゃないか』という雰囲気にもなると思う」。万全の状態で4月を迎え「火曜日の男」として白星を量産したいところだ。

照準を合わせる京セラドーム大阪でのホーム開幕戦で、女子マラソンの前田穂南(27=天満屋)が始球式を務めることが、この日発表された。1月28日の大阪国際女子マラソンで19年ぶりの日本記録を樹立。パリ五輪出場内定の波に乗るアスリートが援軍として駆けつける。「(前田の勢いに)あやかりたいですね」と笑顔も見せた。

村上を含めた開幕ローテーション投手陣は、オープン戦ラスト5試合で仕上げに入る。4月4日のDeNA戦での先発が有力な西勇は、22日のオリックス戦に2番手以降で登板予定。雨天中止もあり2軍戦で登板を重ねてきたが、初のオープン戦マウンドで最終調整する。大竹は23日の同戦で先発する見込み。門別は2軍戦で調整を続ける予定だ。開幕2戦目となる30日の巨人戦(東京ドーム)の先発を争う両左腕にとって、最後のアピールウイーク。リーグ連覇の鍵を握る投手陣が、この5試合でギアを上げる。【中野椋】

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