偉業へ必勝座談会！ 阪神が球団初のリーグ2連覇を目指すシーズンの開幕を前に、日刊スポーツの虎番5人がざっくばらんに語り合った。磯綾乃キャップ、中野椋サブキャップを中心に、経験豊富な柏原誠記者、担当1年目で「アレ」を目撃した波部俊之介記者、フレッシュな村松万里子記者がチームの魅力やイチオシ選手について討論！？ 虎番も気合十分です！
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磯 いよいよ開幕も目前。2月のキャンプがはるか昔のことのように感じるね。今年は初日から晴天続きで、岡田監督も「8年目で初日雨の時だけBクラスなんよな。だからそれを考えたら天気良すぎ」と笑っていました。縁起の良い日差しを浴びて、オリオンビールを水のように飲んじゃいました！
波部 磯さん、天気に関係なくいつも飲んでるじゃないですか…。僕たちも毎朝8時には球場に行ってましたよね。全体練習が始まるのは午前10時なんですけど、ほとんどの選手が大型バスに乗って、8時過ぎには到着していたので。日本一チームの自覚というか、自主性を感じました。
村松 入社1年目の私は人生初のキャンプ取材。プロ野球選手を間近に見た最初の感想は「でかっ！」。特に佐藤輝さんは首が痛くなるほど見上げないといけなくて、大山さんにはオーラを感じました。
中野 僕は担当4年目。王者として迎えるシーズンって、やっぱりいいっすね。兵庫県出身ですが、毎年悲しい思いをしてきたので…。選手がやるべきことをする。春季キャンプから、さすがチャンピオンチームだなと思っていました。
柏原 19年ぶりの担当復帰、久しぶりの宜野座キャンプは…ご飯がおいしかったなあ。ステーキ最高！ 豚しゃぶ最高！ 現在、公称89キロから3キロ増で自己最重量です。シーズン完走のスタミナがついたと思うしかないな。
磯 岡田監督は昨年の経験を経た選手を「一回り大きくなった」と表現していましたけど、柏原さんは確かに別の意味で一回り大きくなったような…。
柏原 原稿を書く出力が上がったことにしといて。パワーアップというなら青柳投手。「しっかりご飯食べて、トレーニングして体重を増やした」って言っていたけど、見るからに体がゴツい。柔和な表情とのギャップがすごい。「自然と出力が上がって球速も上がっちゃいました」って145キロ出してて、今年の復活は間違いないと思う。
中野 岡田監督が開幕投手を託したのもうなずけますよね。投手3冠に輝いた2年前は、いつノーヒットノーランが出るのかとドキドキするほどの無双具合でした。「火曜日の男」村上投手もいるし、今年はいくつ「ノーノー原稿」を用意しないといけないのか…。うれしい悩みです！
村松 私も注目選手、言ってもいいですか？ 「ちいかわ」好きな私は…。“チー”ムプレーが代名詞で“かわ”りのきかない「ちいかわ」な糸原さんがイチオシです。思い出すのは、キャンプ序盤に2軍で調整している時。高卒ルーキーの山田くんが糸原さんと原口さんを見て、「エラーしないとか当たり前のことを当たり前にすることがいかに大事か分かりました」と言っていました。
中野 実はキャンプ中、新婚の僕は糸原さんに「夫婦円満の秘訣（ひけつ）」を取材しました。「許す心！」って教えてもらって、そのまま記事にしたんですけど…。後日「俺は許されてる方だから」と訂正が。「すみません！」と謝ったら「いいよ、いいよ」と笑って許してくれました。新婚生活でも「許す心」、忘れません！
波部 中野さんののろけはその辺で…。村松が趣味全開で話すなら、ヒップホップ好きな僕は大注目の高卒2年目、門別投手をラップで紹介します！
Hey yo！ 糸引く直球で視線をロック。札幌育ちのホープ。ジョークじゃない、この剛速球。秘めたる闘志は、まるで闘牛！
柏原 …。波部、キャンプからやり直すか…。
波部 調子に乗りました！ すみません！ でも門別投手は本当にすごいんです。19歳と思えないぐらい堂々としているし、実際にボールもとんでもない。でも性格はまったりしていて優しくて、ガッツポーズするのかな？ と思うぐらい。秘めたる闘志があるんです。どんな投手になるのか、楽しみすぎます！
中野 僕はやっぱり、入団1年目から見てきた佐藤輝選手。キャンプ後の甲子園練習での柵越え、弾道が違いました。「普通に打ってるだけです、自然に打球が上がってる」と言っていたのが、末恐ろしい。30発は最低ラインで、ヤクルト村上選手のように50発とか、一気に覚醒するのではと期待しています。
磯 私は勝手に同学年の「91年世代」をいつも注目してるんだよね。岩崎投手、岩貞投手、加治屋投手、秋山投手、梅野選手、原口選手と多いんです。伸び盛りの若手と経験豊富な中堅選手…ホントにバランスがいいチームだね。
村松 こうやって話していたら、開幕がまた楽しみになってきました！ 同学年の森下選手や小幡選手が1軍で活躍しているのがうれしいし、勝利にどんどん貢献する姿が見たいです。
波部 僕は阪神担当2年目ですが、今年は選手もどっしりしてるなと感じます。オープン戦の結果に一喜一憂しない。やっぱり昨年リーグ優勝して、日本一になった自信ですかね。
磯 昨年「アレ」と言い続けてきた岡田監督は今年、はっきり「連覇」と何度も口にしていたよ。プレッシャーをかけないための「アレ」だったけど、もうそんな言い方をする必要がなくなったということなのかな。選手への信頼と球団初の偉業への自信をヒシヒシと感じます。では最後に、みんなの順位予想を聞きましょうか？
中野 もちろん1位です！ 先発陣に厚みがある。開幕ローテの6人はもちろん、岡田監督の言う「予備1番手」で控える門別投手に西純投手、復帰を目指す高橋投手や秋山投手…。「勝利原稿」、たくさん用意しとかな！
村松 私も1位！ 森下選手がセンターを守った時に「何かあった時にはセンターを守れるように」と話していて。いつでもどこでも出られる準備と心構えができているのだと思いました。私も沖縄限定のちいかわショップで買ったシーサーをバッグにつけて、バッチリ準備します！
波部 僕も1位です！ それではワンフレーズ、聴いてください！
連敗なんかは関係ない。連覇への期待で胸いっぱい。肩に刻んだチャンプの称号。今年もつかむぜセ界の頂上！
柏原 波部がまた浮かれてるから、あえて俺は気を引き締めて2位と言っておこうかな。岡田監督が警戒している巨人を含め、ライバルも強くなっているし、警戒してくる。熱いセ・リーグになるんじゃないかと…。とは言っても、優勝争いの中心は阪神になると思うけどね。
磯 投手力を中心とした守り勝つ野球は今年も健在ですよね。昨年はサヨナラ勝ちが多かったと聞いて、新米キャップの私はすでにハラハラドキドキ…。劇的な試合展開にも動じず、岡田監督のようにどっしりと構えて、シーズンを送れるように頑張ります！
◆磯綾乃（いそ・あやの） 1991年（平3）埼玉・春日部市生まれ。早大から14年に入社。整理部を経てアマチュア野球、阪神、サッカー担当。昨年はオリックス担当でリーグ3連覇を取材し、今年3年ぶりに虎番復帰。大学時代はインドの国民的スポーツ「カバディ」に夢中になり、全日本カバディ選手権で4強入り（出場6チーム）。
◆中野椋（なかの・りょう）1995年（平7）5月16日、兵庫・宝塚市生まれ。関学大から18年に入社。整理部を経て21年4月から阪神担当。今年で虎番4年目になる。大学時代は新聞部「関学スポーツ」で、当時陸上部だった男子100メートルの多田修平（住友電工）らを取材。好きな甲子園グルメは皇蘭の中華。
◆柏原誠（かしはら・まこと）1977年（昭52）長野市生まれ。03年入社。担当はサッカー、阪神、広島、オリックス、中日、アマチュア野球など。野球のプレーは高校2年夏まで。ケガと実力不足でマネジャーに転身した経験が新聞記者を志す第1歩に。痛風歴は12年。
◆波部俊之介（はべ・しゅんのすけ） 1998年（平10）兵庫・丹波篠山市出身。静岡大から22年入社。一般スポーツ取材などを経て、昨年から阪神担当。初年度で「アレ」を目撃した。大学では物理学を学びながら硬式野球部でプレー。特技はたこ焼き調理。朝の目覚ましはヒップホップ。
◆村松万里子（むらまつ・まりこ）2000年（平12）福岡・中間市生まれ。神戸女学院大から23年に入社。アマチュア野球担当を経て、今年1月から阪神担当。学生時代は高校野球福岡大会の球場アナウンスやテレビ局の学生リポーター、豊中えびす福娘代表を務める。趣味は動物園巡り。
