ミスターホークスが常勝軍団復活へ歩みだす。小久保裕紀監督(52)が率いるソフトバンクは、28日に京セラドーム大阪で開幕前日練習を行った。

開幕の相手はリーグ3連覇中のオリックス。20年まで4年連続日本一に輝いたかつての常勝軍団は、チャレンジャー精神を強調した。開幕戦は17年から7連勝で、開幕カードに限ると9連勝中。スタートダッシュは得意中の得意。小久保ホークスが最高の船出を飾ってみせる。

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生まれ変わったホークスの戦いが、いよいよ始まる。小久保新監督は正午過ぎに決戦の地となる大阪入り。リーグ3連覇中の宿敵オリックスとの開幕戦だが、相手にとって不足はない。いつも通り、冷静な口調で指揮官は言った。

「この3年間、ホークスが優勝を逃している間に優勝していたのがオリックスさん。今のホークスの力がどのくらいかっていうのを試せるというか、チャレンジできるいい相手だなと思います」

ソフトバンクは20年までリーグ初の4年連続日本一を達成。しかし21年~23年はオリックスに覇権を譲った。「常勝軍団」の看板は過去のもの。小久保監督も重々に承知している。「もちろんチャレンジャーとしていくっていうのは選手たちにも伝えてます。選手たちも『常勝』と言われていた時代から今は『チャレンジャー』という気持ちなんでね。向かっていきたい」。常勝復活への旅が29日から始まる。

26日に福岡市内で決起集会を行った。選手会長の周東は全員の前で「ホークスは常勝軍団と呼ばれているけど、もう3年優勝していない。それって本当に常勝軍団なのかなってすごく最近思ってるんです」と心境を吐露した。この日は敵地京セラドーム大阪で全体練習を行い、スピーチの真意を説明。「僕らはもう常勝軍団じゃないので。もう1回、そこを取りにいく」。新指揮官とナインの志は一致している。

まずは得意のスタートダッシュを見せたい。開幕戦は17年から7連勝中。さらに開幕カードでみると、21年の開幕戦から破竹の9連勝中だ。指揮官は「(21年の)俺がヘッド(コーチ)の時も勝ったっけ? 今年も勝てればいいです」と気に留めないが、タカ党にとっては期待せずにはいられない。

現役時代に「ミスターホークス」と呼ばれた男が、満を持して指揮を執る。「チャレンジャーとしてパリーグの頂点を」。3年分の屈辱を晴らすべく、小久保ホークスが出陣する。【只松憲】

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