球団初のセ・リーグ連覇を目指す阪神が開幕から屈辱の2試合連続ゼロ封負けだ。序盤から好機をつくるもあと1本が出ず。4回のセーフティースクイズ失敗から負のスパイラルに陥った。開幕から2戦連続のゼロ行進は最下位だった88年以来36年ぶり。岡田彰布監督(66)も「(点が)全然、入らへんもんな」とボヤキ節だ。

またも1プレーが試合の流れを変えた。「そら変わるよ。昨日もそうやんか。昨日、今日とな」。岡田監督が振り返ったのは、0-0で迎えた4回のシーンだった。大山、佐藤輝の連打から1死一、三塁と好機をつくったが、初球でセーフティースクイズを試みた坂本の打球は小フライ。一塁岡本和がダイビングキャッチすると、スタートを切っていた三塁走者の大山も戻れず、痛恨の併殺となった。

その前の打席で、坂本は初球で犠打をきっちり成功。「ああなるんやなあ。やっぱりなあ。先に点を取っていたら、全然違う展開やけど」。開幕戦となった前夜29日も、好機で森下の長打コースの当たりを右翼梶谷に好捕されてから、勢いは巨人に傾いた。序盤のチャンスを生かせなかったこの日も、流れは阪神に来なかった。

12球団で唯一の18イニング無得点。岡田監督のため息も深い。「全然、入らへんもんな。入りそうにないもんな。まあ2試合0点やからな」。初回は中野の二塁打から2死一、三塁、2回も2死三塁まで進めたが今季1点目が遠い。7回は先頭のノイジーが二塁打で出塁し、梅野、原口、糸原と3人連続の代打攻勢も、スコアボードには無情にも0が並んだ。「つなぐだけじゃ点入らへんからな。ある程度もっとヒット出んと。まあちょっとボール振りすぎやな。高めはな」。沈む打線に奮起を促した。

球団初の偉業を目指すシーズンで、最下位だった88年以来となる開幕から2戦連続の完封負け。「伝統の一戦」で、やられっぱなしでは終われない。「3連敗はあかんよなあ。まあ点取らなあかんわな」。これまで阪神が優勝した年で連敗スタートはなかったが、そんな負のデータも吹き飛ばす快勝が見たい。【磯綾乃】

▽阪神平田1軍ヘッドコーチ(4回のセーフティースクイズについて)「(大山の)スタート? まあ足の状態もあんまり万全ではないっていうところも含めて。でもそこは難しいとこよ。当たってからゴーやろ、セーフティースクイズいうとこやからね」

阪神藤本1軍内野守備走塁コーチ(4回の大山の走塁について)「いいスタートを切ろうという結果なのかなと思いますけど。もちろん、1点をとりにいこうっていう気持ちがああいう風に出てしまったっていうのもあるし。なかなか判断が難しいところだと思うけど、あれで(打球がフェアゾーンで)ショートバウンドになってセーフってなったら、それはオッケーってなるわけやし。難しいところですけど。やっぱり冷静に考えてみて、ゲッツーになるのが一番ダメなので、僕らも考えていきます」

◆セーフティースクイズ 走者を三塁に置き、無死または1死で行うプレー。三塁走者が投手の投球に合わせてスタートを切り、打者はどんな球でもバットに当てて転がそうとする通常のスクイズと違い、走者は打者がバントをした瞬間にスタートし、打球を見て本塁突入か否かを判断する。通常のスクイズよりリスクが少ない。

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