阪神の、京セラドーム大阪での不敗神話が崩れた。この試合まではレギュラーシーズン9連勝中だった同球場。しかし初回から、まさかの展開でリードを許した。

今季初登板となった先発村上頌樹投手(25)は初回から佐藤輝明内野手(25)の適時失策も絡み3安打を浴びて4失点。昨季、ポストシーズンも含めた先発24試合で初回失点は1度もなかった。3回にも追加点を許し、3回7安打5失点(自責点1)で降板。昨季のセ・リーグMVPが、まさかの結果となった。

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黄金に輝くチャンピオンユニホームで臨んだ本拠地開幕戦。プレーボール直後、いきなり落とし穴が待っていた。「いやそらのう。まさか初回4点と思ってないからのう」。百戦錬磨の岡田監督も、予想だにしない展開にため息だ。

先発した昨季のリーグMVP村上に、先頭打者から異変が起きた。持ち味の制球力が影をひそめ、1番度会に四球。指揮官も「初めてやろ。先頭バッターにフォアボールなんてなあ」と首をかしげてしまう姿。右腕が今春の実戦23イニング目で初の与四球を出すと、流れはDeNAに傾いた。

迎えた1死一、三塁のピンチ。低めに決まったフォークで、4番牧を三塁へのゴロに仕留めたかに思われた。しかし、今度は佐藤輝が打球をはじいてボールは転々。まさかの適時失策で先制点を献上すると、さらに2死満塁から7番山本に走者一掃の適時三塁打を浴び、一気に4点を失った。

村上はポストシーズンを含め、昨季は先発全24試合で初回は無失点。ただ、この日は不調の予感もあったようだ。「あんまり良くなかったって、ブルペンから良くなかったって言うてたけどなあ」。指揮官は試合後、舞台裏を明かした。

投手が苦しい時こそ、もり立てるのが味方野手陣だが、この日は助けることができず。痛い失策を喫した佐藤輝には苦言も呈した。「うん。ゲッツーやろ。そういうことやんか。完全に打ち取っとったからな。あそこだけ低い球行ったからまた、ゴロの球な、おーん」。苦い表情からもその感情が読み取れた。

22年8月25日DeNA戦から9連勝中だった京セラドーム大阪。本拠地開幕戦でいきなり連勝がストップし、まだ4試合ながら単独最下位となった。胸元で金色に輝く日本一王者の威厳を見せるためにも、ホーム開幕カードで連敗するわけにはいかない。【磯綾乃】

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