阪神佐藤輝明内野手(25)に光が差した。8回1死一、三塁から右前への適時打。待ちに待った今季初打点だ。ウィックの内角球に詰まりながら前進守備の狭い一、二塁間を破った。抜けた瞬間に、小さく右こぶしを握った。塁上でも手をたたいた。「よかったと思います」とうなずいた。

前日までの4試合で15打数1安打と結果が出ず、苦しんだ。この日は初めて早出特打に臨んだ。虹色の短尺バットで片手ティー打撃を繰り返し、ケージの中では力強く50スイングを繰り返した。早出は、前夜の試合後に首脳陣の判断で決まった。指揮官も「まあ、前進守備でね。初打点でしょ」と、まだまだここからといった様子。決勝2ランの森下、4回に今季初打点の大山と「ドラ1クリーンアップ」がそろい踏み。打線にエンジンがかかり出したのは間違いない。

佐藤輝は左腕浜口に対して最初の2打席は空振り三振、見逃し三振。打席で少し首をかしげるようなしぐさもあった。「しっかり確認して試合に臨めたかなという感じです。(安打は)最後だけですけど。それをどんどん続けられたらいいと思います」。冬の間から一貫して取り組んできた24年型打法。まだ納得できる打席は少ないが、トンネルの出口は近いと思わせる1日でもあった。【柏原誠】

▼阪神は3番森下、4番大山、5番佐藤輝がそろって打点を挙げた。このドラフト1位「森大佐」トリオの打点そろい踏みは今季初で、通算4度目。チームは3勝1敗だ。

▼なお8回には近本が1号本塁打。クリーンアップ3人に近本を加えた、ドラフト1位の「近森大佐」カルテットが全員打点を挙げたのは、23年4月1日DeNA戦に次ぎ2度目となった。

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