阪神が8月に100周年を迎える甲子園の今季開幕戦を1-0快勝で飾り、勝率を5割に戻した。0-0の5回に近本光司外野手(29)が広島先発床田から均衡を破る先制決勝のタイムリー。初回には先頭野間の長打性の当たりをダイビングで好捕するなど、淡路島出身の後輩で昨季のMVP右腕、村上頌樹投手(25)の初勝利を攻守でアシストした。昨季の日本一軍団がホームで上昇気流をつかみ、波乗りで逆襲に転じる。

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村上はこのオフ、意外なところで自身の飛躍を実感していた。それはハワイへの優勝旅行でも、イベントや表彰式への出席でも、幾度となく受けた取材でもなかった。「知り合いから写真が送られてきたんですよね。『頌樹、なんかおったぞ!』って」。阪神梅田駅付近に掲出された阪神球団の特大ポスター。そこには、近本や大山ら不動の主力とともに村上の姿もあった。兵庫・淡路島の中学時代の友人が大阪に出向いた際、思わずパシャリと写真に撮り、すぐさま報告してくれたというわけだ。

「そんなん出てるん!」と返信した。自身も幼少期からの阪神ファン。「たまに関西に来る友人が見てくれたら『頑張ってよかったな~』と思います」と照れ笑いだ。ちなみに、村上自身はそのポスターを発見できなかったようで…。「ちょうど梅田にいるタイミングがあって。でも、どこにあるか分からなくて断念しました」。24年もこの1勝から大活躍し、どでかいポスターを占領する。【阪神担当=中野椋】