新庄監督が編み出した「いきなり郡司」が大的中だ。日本ハム新庄剛志監督(52)が、今季初めて郡司裕也捕手(26)を1番でスタメン起用。その郡司が1回、ソフトバンクで今季、開幕投手を務めた有原航平投手(31)の初球を捉え、いきなり右越え二塁打で出塁し、1回では今季最多となる一挙4点の猛攻につなげた。チームは3試合ぶりの白星で、再び貯金1に。首位に0・5差と迫った。

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九州・熊本での一戦は、熊本名菓「いきなり団子」ならぬ、新庄流、初回初球「いきなり二塁打」で始まった。今季、初めて1番で先発出場した郡司が、ソフトバンク有原の初球、150キロストレートを思い切って振り抜いた。「今日は特攻隊長として行こうと思いました」と郡司。続く松本剛の右前打で無死一、三塁とチャンスを広げ、万波の左前打であっさり先制するなど、電光石火の攻撃で、この回、有原から一気に4点を奪った。用兵がピタリ的中した新庄監督は「初球ガツーンと。ああいう思いっきりの良さは持ってるから。頼もしいですね」と満足げだ。

固まっている中軸に比べ、リードオフマンは流動的だ。スタメン1番は松本剛、スティーブンソン、水野、加藤豪、田宮に続き、郡司で6人目。7日西武戦は打撃好調な捕手田宮を起用する奇策も無安打、チームも初の連敗となった。指揮官は「ハマらなかったら(自分が)何しとんねんってなるけど、ハマったらもう選手が良かった。ダメだったら、みんなにいろいろ言われるんですが、こういう商売なんでね」。必死で考えた末の「いきなり郡司」で結果が出た。

5回無死満塁で相手の4番山川を迎えた大ピンチも、郡司の三塁守備が救った。ゴロを捕球後、三塁ベースを踏んで本塁へ送球しダブルプレーに。冷静だった背番号30は「試合前に(捕手の伏見)寅威さんに『山川(の打球が)今日は三塁線に行くから締めておいて』と。準備が出来ていたので、いい反応が出来た」と、うなずいた。

新庄監督は「もう考えて考え抜いてのね、オーダーを組んでるんで。それはもう、いい時もあれば悪い時もあるし、いい時が多かったら勝ちにつながる」。連敗を2で止めたチームは、3日ぶりに再貯金。首位ソフトバンクと西武に0・5差と迫った。【永野高輔】

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