昨夏のU18W杯で世界一に輝き、昨秋ドラフトで指名漏れを経験した中大・東恩納蒼投手(1年=沖縄尚学)が、デビュー戦初勝利を飾った。

0-2の3回2死三塁から2番手で登場し、火消しに成功。6回1/3を7奪三振で無失点に抑える好救援を見せた。ルーキーの好投に応えるように、チームは駒大に逆転勝利。1勝1敗のタイに戻し、12日に3回戦を行う。青学大と亜大は2連勝で勝ち点を獲得した。

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甲子園を湧かせた「ミスターゼロ」中大の東恩納が、早速、活躍した。0-2の3回2死三塁のピンチでマウンドへ上がると、得意の縦スライダーで空振り三振。9回、最後の打者も縦スライダーで空振り三振に打ち取ると、力強くガッツポーズしてほえた。「要所で空振りを取れた。大学野球の独特な応援を味方につけて、しっかりできました」と、充実の表情でデビュー戦を振り返った。

高校ではチームを春夏連続で甲子園に導き、世界一も経験したスター。ドラフト指名漏れから再起し、半年後に大学野球の聖地に立った。清水達也監督(59)は「東恩納がしっかり投げきってくれて、皆川とか桜井が打ってワンチャンスをものにできた」と笑顔で評価した。

戦国東都で戦い、4年後、ドラフト1位でプロへ行く目標がある。右腕は「まだ始まったばっかりなので、ここから勝利を積み重ねていきたい」。第2章が始まった。

▽駒大・香田誉士史監督(逆転負けで3回戦に突入)「今日に関してはやっぱり(中大の東恩納君に)うまくしてやられたというところだと思います。(3回戦まで)1日あるので、総力戦で粘っていきたい」