2月中に右肩甲骨を骨折した今秋のドラフト上位候補、明大・宗山塁主将(4年=広陵)が、ケガ以来初めて3番遊撃手でフル出場し、完全復帰を果たした。

1回表、2人目の打者の打球が三遊間に飛んだ。アンツーカー付近で微妙にバウンドが変わった打球を難なくさばくと、4回には無死一塁で三遊間に抜けそうな打球をバックハンドで捕球し、素早く体勢を戻して二塁に送球し一塁走者をアウトに。東洋大ベンチからは、ため息がこぼれた。

守備でリズムに乗った宗山は5回、2死から変化球を左越え二塁打に。4打数1安打だった。

宗山は4月6日のHondaとのオープン戦で3番DHで復帰。この日が、守備での実戦復帰だった。田中武宏監督(63)は「久しぶりに見たけど違うね~。普通なら捕れない球を捕る。久しぶりにああいうプレーを見たなぁ」と、故障明けとは感じさせないプレーに驚きの声をもらした。

既に宗山は、田中監督に「試合(公式戦)に出ます」と宣言。チームも平日から実戦形式の練習を増やすなど、宗山の完全復活に向け、バックアップ体制を整えている。田中監督は「あれだけの守りをしてくれたら、投げる方も安心だろうね」と、大黒柱の順調な回復に笑みがこぼれた。

視察した広島の苑田スカウト統括部長は「守備はもう大丈夫。打席も、ケガ明けで腰が引けそうだけど、それも全然ない。心配ないでしょう。彼は1位ですから。もう間違いない!(今秋、宗山を)獲得できた球団は、この先10年、ショートは大丈夫ですよ」と、太鼓判を押した。

東京6大学野球は昨日13日に開幕し、明大の初戦は20日の東大戦。大黒柱の復帰で、優勝へ最高のスタートを切れそうだ。