阪神森下翔太外野手(23)が甲子園初のバックスクリーン弾に腕ぶした。

16日から6連勝中の2位巨人と甲子園で今季初の3連戦。2戦目の17日は1985年(昭60)の同日に3番バース、4番掛布雅之、5番岡田彰布の「バックスクリーン3連発」が生まれた伝説の記念日だ。今年は「甲子園&巨人戦&水曜日&ナイター」のすべてが39年ぶりに重なる巡り合わせ。セ界本塁打争いでトップタイに立つ背番号1が、豪快な再現弾でチームを勢いづける。

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バース、掛布、岡田。ファンの記憶に深く刻まれる85年のバックスクリーン3連発は、まだ生まれていなかった森下にとっても胸躍るシチュエーションだ。16日から甲子園で始まる巨人3連戦の2戦目が、昭和の「バックスクリーン3連発」記念日の4月17日。「ファンの人たちは期待してもらったらいいんじゃないですかね」と令和の特大弾再現に意欲を見せた。

85年のあと、4月17日に甲子園で巨人戦が行われたのは15年と22年の2度で阪神はともに敗戦。15年は金曜日のナイター、22年は日曜日のデーゲームで、あの日と同じ水曜日のナイターは、意外にも39年の時を経て初めになる。そんな偶然の巡り合わせでバックスクリーンまで飛ばせば、ファンも最高の1日になる。

今季の3本塁打は巨人岡本和、中日細川と並びリーグ最多。打率1割台で14日の敵地中日戦で今季初めて7番に下がったが、インパクトのある2本の決勝アーチを放つなど、その勝負強さはチームに不可欠だ。昨年神宮ではバックスクリーンに運んだことがあるが、甲子園ではまだない。会心の一打で本塁打争いも単独トップに立てれば、これ以上のシナリオはない。

巨人3連戦は、毎年恒例の夏イベント「ウル虎の夏」で着用する限定ユニホームのお披露目試合でもある。開場100周年に合わせ、甲子園をイメージする「緑」を前面に押し出し、両サイドには「100」と「∞(無限)」を表す黄色のラインが入った斬新なデザイン。「ファンの人が喜んでくれれば」と活躍で聖地を盛り上げる意気込みだ。

14日の中日戦は4番大山を含めて全打順を入れ替えた打線が当たり、何とか連敗を3で止めた。だが、打線は7試合連続2得点以下と低調が続き、借金も2つある。幸いにも週末の中日戦も含め、今季初めて6連戦を甲子園で戦える。「ホームなので、お客さんもたくさん来てくれると思うので、6連戦でしっかり勝ち越したいなと思います」。85年は巨人に逆転勝ちしたバックスクリーン3連発が開幕ダッシュを導き、日本一まで駆け上がるきかっけとなった。背番号1が吉兆弾を中越えに運び、虎を浮上させる。【村松万里子】

◆85年4月17日阪神-巨人戦(甲子園)シーズンの開幕4戦目。阪神は1-3の7回、巨人先発の槙原を攻めて2死一、二塁とし、3番バースが初球をバックスクリーンへの1号逆転3ラン。4番掛布はバックスクリーンやや左に2号ソロ。5番岡田も中堅クロマティが見上げる1号を描き、バックスクリーンのへ3者連続本塁打となった。工藤-福間を継いだ中西がプロ初セーブでこのリードを守り、阪神が6-5で逆転勝利。64年以来の優勝へ快進撃をスタートさせた。

▼阪神は4月6日ヤクルト戦での4得点を最後に7試合連続2得点以下。これは12年4月26日広島戦(甲子園)から5月6日巨人戦(甲子園)にかけての10試合連続以来、12年ぶり。10試合連続が59年と並んで球団ワーストタイ。この間は1、1、2、0、2、2、2得点で2勝4敗1分けと負け越し。森下ら打線の奮起が待たれる。