侍ジャパンの前監督で日本ハムCBOの栗山英樹氏(62)が16日、東京・講談社で「信じ切る力 生き方で運をコントロールする50の心がけ」の出版記念講演会を行った。第1部では有隣堂の松信健太郎社長と対談し、厳しい父の影響で幼い頃から本と親しんできた様子を披露した。

「巨人の星に出てくる星一徹のような厳しい父にはプロ入ってからも敬語で接するほどでした。でも、そんな父が本は好きなだけ買っていいと言ってくれた」と懐かしみ、そんな体験が監督時代に決断に迫られた時に役立った。歴史関連の書籍を読みふけったり、23年WBC前には野球漫画を買いあさったり。本からの学びが人生を豊かにしていると力説し、「先輩から教わったこととともに、本から教わったことが(自分の)確固たる軸になっている」と胸を張った。

来場者から今後の野球界についての展望を訪ねられた際には「みなさんのやっていることを学びながら、スポーツ全体がもう少し世の中のためになる形にしたい。野球がやらなければいけないのは、少年野球、高校野球、プロ野球とかがまずみんなが手を携えないといけない。『野球はこういう風にいった方がいいよね』と同じ言葉を発するようになれば」と訴えた。理想の在り方に近づくためにも「自分の利権や組織だけを重要にしているとか、そういう時代ではないような気がしていて」ときっぱり。険しい道のりと自覚しつつも「何とか恩返しのために動かなきゃいけない」と抱負を述べた。