中大の1年生、東恩納蒼投手(沖縄尚学)がリリーフで初勝利を挙げた開幕2戦目(駒大戦)に続き、先発で5回を投げ2勝目を挙げた。「最少失点で抑えられたのがよかったです」と、冷静に振り返った。

ゆったりとしたフォームから、130キロ中盤の真っすぐに変化球を丁寧に投げ分け、走者を出しても慌てず。落ち着いて縦のスライダーを自在に操り5回を3安打5奪三振で1失点。1年生とは思えない、堂々たる投球で後ろにつなげた。

相手が誰であっても、気持ちはブレない。昨年U18高校日本代表でチームメートだった緒方漣内野手(1年=横浜)も、空振り三振、二ゴロ、見逃し三振と、難なく仕留めた。「相手として嫌な選手。でも、1番打者なのでしっかり抑えられてよかったです」。先発としてゲームメークをする投球に、集中した。

開幕2連勝にも表情は緩めない。「1年目で警戒されていないからだと思います」と謙遜しながらも「スライダーが有効だと思っています」と手応えを口にした。

中大はルーキーの好投で勢いにのる。昨年まで、チームを引っ張った西舘勇陽投手(現巨人)が抜けた穴を、東恩納、子安秀弥投手(東海大相模)と1年生がカバーしている。清水達也監督(59)は「2人がしっかり試合を作ってくれる。それが流れ的にいいのかな」と、頼もしく見つめた。

破れた国学院大の鳥山泰孝監督(48)は「(東恩納投手は)ゲームを作る能力、実践力の高い投手。あとちょっとが、うまくつながらなかった」と脱帽した。