晴天のもと、真っさらなマウンドに阪神高橋遥人投手(28)が帰ってきた。

17日のウエスタン・リーグ、オリックス戦(鳴尾浜)に先発。21年11月6日のCSファーストステージ巨人戦(甲子園)以来となる復帰戦だ。球場には開門前から長蛇の列が出来上がり、背番号29のユニホームを着た熱心なファンも。待ち望まれた、893日ぶりの登板だった。

「緊張はめちゃくちゃしました。でも意外に立ってみたら、久々ですけど、2年半という感覚はあまりなかった。ずっと投げられない中でも、応援してくださる人の声とかはやっぱり聞こえていた。またマウンドで投げるところを見せられて、すごくよかった」

1番杉沢には初球から直球勝負。146キロ直球で投直に仕留めた。続く2番山足には右前打を許したが、慌てなかった。3番横山聖には2-2から、内角への139キロツーシームで空振り三振。4番トーマスは遊ゴロに打ち取り、1回1安打無失点。16球を投げ、最速は147キロを計測した。

左肘や左肩など、たび重なる手術からの復帰。目標にしてきたマウンドは、1イニングながら先発として用意された。和田2軍監督は「復帰した時は先発でいくピッチャー。俺だけじゃなくて投手コーチも復帰する時には一番いい条件で投げさせると話して、それが今日になった」。高橋も「先発で投げさせてもらうのはすごくありがたい。(2番手の)富田にも」と周囲の心遣いに感謝だ。

今後は状態を見ながら、短いイニングでの投球を続けていくとみられる。投球回を伸ばし先発としてのメドが立てば、支配下復帰もいよいよ見えてくる。完全復活へ、大きな1歩を踏み出した。【波部俊之介】

【関連記事】阪神ニュース一覧