7年ぶりの優勝を狙う東北福祉大(仙台6大学)が、史上初の3連覇を狙った青学大(東都)を逆転勝ちで下した。

力強いスイングで積極的に振りにいく強力打線で青学大を圧倒。佐藤悠太外野手(3年=報徳学園)が中越え2ラン本塁打を含む4安打3打点を挙げるなど、14安打8得点で青学大の好投手を攻略した。初優勝を狙う福井工大(北陸)は東海大(首都)に競り勝ち、4年ぶりの決勝進出を決めた。

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想像もしていない景色だった。東北福祉大の佐藤は高々と上がった打球に「入ったな」と確信した。3安打1打点して迎えた6回の第4打席。2死二塁で内に甘く入った直球を見逃さず、バックスクリーンにたたきこんだ。「引いたら負けという攻めの気持ちが、いい結果につながりました」と振り返った。

一度は諦めかけた野球人生だった。野球を始めた頃から投手がメイン。だが高2の秋、右肘のけがをかばいながら投げたことで、右肩も故障。これが、佐藤の野球人生を大きく変えた。「バッティング投手でも全くストライクが入らなくなって」。イップスに陥り、大半をBチームで過ごした。「ここが限界か」。高校野球で終わることを考えた。

だが、当時の部長に野手への転向を勧められ、約8年の投手生活に別れを告げた。この決断が功を奏し、大学で花開いた。「ヒットやホームランを打つのがすごく楽しくて」。高校では味わえなかった感情だった。前向きな気持ちで第2の野球人生を切り開いた。

大会屈指の好投手もお構いなし。ドラフト上位候補の青学大・中西からは長打を含む3安打。「架空のすごいピッチャーを想像して、速い球や、すごいスライダーを打つという、いいイメージを持ってきました」。これが現実となった。7年ぶりの日本一まで、あと1勝。「ここまで来たら気持ちだと思うので、チーム全員で助け合いながら勝ちたいです」。頂点は、すぐそこだ。【木村有優】