大学NO・1スラッガーが猛虎打線の系譜を継ぐ。今ドラフトの目玉となった創価大・立石正広内野手(4年=高川学園)は23日、「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」で最多3球団からの1位指名を受け、阪神が交渉権を獲得した。
92年バルセロナ五輪女子バレーボール代表の母郁代さん(旧姓・苗村)らバレー一家に育った末っ子は走攻守3拍子をそろえ、掲げるのは「トリプルスリー」。プロ1年目から活躍した先輩・森下翔太外野手(25)のように、甲子園を熱くする。
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思い描いていた中に、甲子園で縦じまを着る自分の姿もあった。立石はドラフトが始まると、ずっと口を真一文字に結んでいた。背筋は伸びる。広島、日本ハム、そして阪神。1位指名で名前がアナウンスされても、表情は緩めない。ただ、頭にそれぞれのチームのユニホームを着た未来を思い浮かべた。
いざ、抽せんへ。藤川監督がにこやかにクジを掲げると、立石もほほえんだ。「やっと、この世界に入ったな」。午後5時17分、夢への扉が開いた。「縦じまだと足が太く見える。スタイルが良く見えて格好いいのでうれしいです」。高校時代にバックスクリーン弾を放った甲子園で、もう気持ちは躍動していた。
縦じまの背番号「1」に目を奪われてきた。「森下さんがすごく格好良くて。勝負強さが異常なほどある」。DeNAとのCSファイナルステージ第2戦でのサヨナラ本塁打にもしびれた。「話を聞きたい」と、胸をふくらませる。森下は1年目から活躍した。「阪神に入られた打者は、みながずっと安定した成績を残されている。秘訣(ひけつ)、いろいろな事を吸収していけば自分の(活躍の)可能性はある」。学び、勝負していく。
「まずは打撃でタイトル争いに絡んでいけるように」。その先の目標に据えるのは「トリプルスリー」だ。打率3割、30本、30盗塁以上に「全部の技術を欠けることなくレベルアップしたい」と己を磨く。跳躍力など可能性を秘めた体は、バレーボールで五輪代表だった母郁代さん譲り。「上には上がいるし、そういう時は練習するしかない」。くじけそうな時、母はいつもそう言って厳しく、優しく支えてくれた。
育った環境が、いつも戒めてくれた。「今の阪神の状況を見て、こだわっていたら出られない」と固執しない。「もちろん内野手として、どんどんうまくなるつもりですけど、与えられたチャンスをものにしたい」。過信はないが自信はある。ドラ1が並ぶ打線に挑み、継いでいく。【阿部健吾】
<立石正広アラカルト>
◆生まれ 2003年(平15)11月1日、山口県防府市出身。
◆サイズ 180センチ、87キロ。右投げ右打ち。50メートル6秒0。
◆野球歴 華浦小1年から華浦スポーツ少年団で始める。中学は高川学園シニアを経て、高川学園では3年夏に甲子園出場し1本塁打。創価大では1年春からベンチ入りし、秋からレギュラー。2年春に東京新大学リーグ3冠王、今春は本塁打と打点の2冠。
◆家族 バレーボール一家で育ち、母郁代さんは92年バルセロナ五輪女子日本代表。姉沙樹はSVリーグのリガーレ仙台、優華もクインシーズ刈谷で現役選手。自身も幼少期から経験者で、姉の出場する春高バレー観戦で5年連続で上京。
◆大事にしている言葉 恩返し。
◆趣味 YouTube、読書、トレーニング。
◆好きな芸能人・有名人 かまいたち、TWICE、福留光帆、あいみょん。



