楽天の育成２年目、中村真人外野手（２６）が「タカスタ１号」を放ち、１軍デビューへ大きく前進した。首位浮上の可能性もあったチームはイースタン・リーグ日本ハム戦、６－１２で大敗し３位に後退したが、１番左翼で出場した野村監督の申し子は、パンチ力と俊足でアピールに成功。首脳陣も、今季中の支配下選手登録の可能性を示唆した。

　豪快なアーチに、球場がどよめいた。１回裏、中村がカウント１－１から、日本ハム糸数の高め直球をフルスイング。グングン伸びた打球は右翼席の芝生に突き刺さった。直前の１回表に日本ハム・ジョーンズが３ランを放ったが、楽天選手ではこれが新球場となった本拠地ＹＺ・タカスタでの記念すべき第１号。自身の今季１号が、メモリアル弾となった。

　「まぐれですよ。全然、調子良くないんで。まだまだです」と謙虚に話すが、天性の打撃と俊足には首脳陣も高い評価を下す。松井２軍監督は「バッティングの技術は素晴らしいものがある」と称賛。走塁や守備面でのボーンヘッドの克服を課題に挙げたが「あと一息やな」と、念願の支配下選手登録が間近であることを認めた。

　社会人シダックス時代は野村監督の下でプレー。この日は、社会人でチームメートだった日本ハム小山捕手がリードする投手との対決にと闘争心を燃やした。目標は、こちらも同じシダックス出身の日本ハム武田勝との勝負。「早く対戦したいけど、まずは支配下登録されないことには始まらない」。猛アピールを続ける。【由本裕貴】