<広島3-7中日>◇11日◇広島

 中日和田が2発で自己最多7打点をマークし、打点王争いの単独トップに立った。初回1死満塁のチャンス。大竹の144キロ内角シュートをたたき、左翼席へ自身5本目の3号先制グランドスラム。「低かったけど、シンで打ったからいくと思った」と胸を張った。

 1点リードの5回1死一、二塁では林の136キロ直球を左中間へ。突き放す4号3ランを運んだ。雪辱戦だった。同じ大竹が相手だった3月28日開幕戦、初回2死一、二塁の初打席で三ゴロに倒れた。「あの時、打てなかったから勝ち切れなかった」。延長12回2-2の引き分けに責任を感じていた。「何が何でも、どうしても、先制点をとりたかった。これまで一、二塁とかランナーがいる場面が数多く回ってきた。打てなくて迷惑をかけた。初めて貢献できたと思う」と喜んだ。

 沖縄キャンプで1日1000スイング以上をこなす姿があった。若手より遅い午後7時半に球場を出る日もあった。昨年は打率3割1分5厘だが、打点49は不本意だった。「去年は打撃をいじりすぎた。今年はリーグも変わるし、シンプルなものにしたい。勝負強い打撃が目標です」と誓っていた。

 打率1割台でも5番で起用し続けた落合監督は「最初から心配していない」と言った。5日に打撲した左ひざの不安も少しずつ消えつつある。和田は「(打点は)まだ始まったばかりだから。(浮上の)きっかけにしたいと思う」と満足していなかった。【益田一弘】