阪神金本知憲外野手(40)が、早ければ19日からのキャンプ第5クール中(22日まで)に、現役投手を相手にフリー打撃を行う可能性が出てきた。すでに沖縄・宜野座の1次キャンプでは打撃投手を相手に屋外フリー打撃を行っているが、「生きた球」を打てば左ひざ手術後初となる。昨年11月からスタートした復活への道が、いよいよ最終局面を迎える。チームは18日、2次キャンプ地の高知・安芸に移動し、19日からのスタートに備えた。

 順調にリハビリを進める金本に、まもなく新しいステージが用意される。19日から22日までの第5クール。その後半にも、現役投手を相手に屋外フリー打撃を行う可能性が出てきた。権田トレーナーが「天候や寒さにもよるが、早ければクールの終盤にも打つ可能性はある」と見通しを説明した。

 不動の4番はこの日、スーツを身にまとい、引き締まった表情で高知県内の選手宿舎に入った。昨年11月に左ひざを手術。長いリハビリを開始させ、慎重に歩みを進めてきた。

 沖縄キャンプ初日の1日には屋内でティー打撃を再開し、第3クール初日の10日には宜野座球場で初のランチ特打を実施。16日の同特打では右翼方面に引っ張る打球も解禁した。守備、走塁の面でも段階的に制約を減らしている。確実にステップアップを続けており、安芸でさらに段階を上がることになる。

 ここまでは打撃投手だけを打ち込んできた。体感スピード、キレが格段に上がる現役投手を相手にするのは、一気に実戦モードに入ることを意味する。真弓監督は「オープン戦の最後に出てくれればいい。調整は任せている」と信頼を置く。だが金本は別メニュー調整に甘えず、ピッチをあげる構えだ。

 打撃面だけでなく、この安芸では走塁や守備の練習をさらに強化し、機会を見てベースランニングやシートノックにも入る見込み。1330試合連続フルイニング出場を続ける鉄人は、走攻守すべて開幕に向けて100%にする。

 天候に恵まれた沖縄の気温は20度以上だったが、この日の高知は最高で11度と肌寒かった。気象条件が悪くなれば、あえて無理する必要はない。投げられる投手がいる、ひざの状態。すべての条件がそろって、「生きた球」を打つことになる。いずれにせよ、この期間に現役投手を相手に打ち始めることは、リハビリが順調な証拠。金本がついに完全復活モードに入る。

 [2009年2月19日10時38分

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