「第6の男」争奪戦の幕開けだ!

 広島は27日、日南春季キャンプを打ち上げた。マーティー・ブラウン監督(46)は、今季先発ローテーション枠の確定選手を明言。ルイス、大竹、前田健、篠田、斉藤の5投手が早くも“合格”した。28日には、ソフトバンクと今季初のオープン戦(都城)を戦う。先発予定の長谷川ら5投手が残り1枠を競う。新人の小松剛投手(22=法大)のほか、大島、青木高、コズロースキーが候補に挙がった。

 開幕ローテーションをかけたシ烈な戦いが始まる。先発スタッフ5人は早々と確定し、残りの1枠をオープン戦で争う。離脱者が出なかった今キャンプ。投手の仕上がりをチェックした上で、手応えをつかんだ様子のブラウン監督は言う。

 「(現時点で)先発が確定しているのは5枠だよ。ルイス、大竹、若い投手の前田健、篠田、斉藤…。6枠目はまだまだ競争が続いている。6枠目が必要かどうかも分からない。春のオープン戦を見ながら決めていくことになるだろうね」

 ルイス、大竹、前田健の3本柱に加えて、期待の若手左腕コンビの篠田と斉藤にも早々と“合格通知”を出した。盤石の先発陣を築くためにも、6投手でローテーションを回すのが理想だ。キャンプでは何度もブルペンに通い「第6の男」を5人の候補に絞った。

 紅白戦で安定しているコズロースキー、大島、長谷川のほか、新人ながら高評価を受けている小松の名前も挙がった。1年目の07年に5勝を挙げた青木高もリストに載る。昨季2試合に先発した8年目大島は「自分のやるべきことだけは、しっかりやりたい」と意気込み、チャンスを狙う。

 28日ソフトバンク戦(都城)で“開幕投手”を務めるのは長谷川だ。02年に自己最多の13勝を挙げたが、その後は低迷。今春の紅白戦ではキレのある速球で内角を突くシーンが何度も見られ、復調の兆しだ。「1年間、上(1軍)で投げることが一番。基本は先発として投げたい」と話したこともあった。オープン戦で結果を残し、先発スタッフ返り咲きを狙う。

 昨季はローテーションのやりくりに苦心したが、現時点では駒がそろう。指揮官の口調も明るい。

 「監督は4年目だけど、初めて6番目の先発枠を争うようなチーム状態に仕上がってきた。1つのスポット(枠)を多くの人が争っている。強いチームはどこでも競争があるからね」

 キャンプを打ち上げ、オープン戦に入る。新球場元年。上位進出するため、まずはチーム内で、待ったなしの真剣勝負を仕掛けた。【酒井俊作】

 [2009年2月28日11時32分

 紙面から]ソーシャルブックマーク