競艇レーサーに学ぶ!

 阪神桧山進次郎外野手(40)が「競艇メンタルトレ」を取り入れる。1日、滋賀・大津市内の琵琶湖グランドホテル・京近江で「阪神タイガース

 日帰り温泉&選手トークショー」に参加。親交のある競艇選手、原田幸哉(34=愛知)が大逆転でSG優勝を果たした一戦に大感激したことを明かし、同選手が進出した賞金王決定戦(20~23日、住之江競艇場)の観戦を熱望した。どんな逆境でもあきらめない集中力に「代打の極意」を重ね合わせる。

 まだ進化できる。40歳桧山の向上心は衰えを知らない。「新・代打の神様」が競艇界最高峰のレース生観戦を希望した。場所は大阪・住之江。20日から4日間に渡って開催される第24回賞金王決定戦だ。「行けたら行きたいな」。日程調整がうまくいけば、現役プロ野球選手としては異例の「参戦」が実現する可能性が出てきた。

 目的はメンタルを学ぶためだ。11月30日、真弓監督が「代打の方程式」を作ることを明言した。「桧山は切り札のイメージで(試合終盤まで)残しすぎたところもある」。来季は序盤から、左投手相手でも出番が増えそうな情勢。9回2死、カウント2-0と追い込まれても、逆境をはね返す力が必要だ。競艇レーサーが持つ一発大逆転、“大まくり”精神を学ぶ意義は大きい。

 2日前の11月29日には、親交のある競艇選手・原田が常滑競艇「競艇王チャレンジカップ」を制覇した。原田は序盤のコース取りに失敗しながら大逆転。「(序盤で)ヤバイと思った時に何秒間かで切り替えたんだから」。厳しい状況からの集中力に感激すると同時に、勝負師としての大きなヒントも得ていた。

 「調子が悪くても、悪いなりに頑張ればチャンスが来る。どんな競技でも我慢が大事。我慢した人にはそういうシチュエーションが与えられる。メンタル面で学ぶことは多い」

 今年の原田は調子が上がらず、同28日の時点で獲得賞金31位と苦戦続き。それが今回のレースを制したことで一気に同7位に躍り出て、賞金王決定戦への出場を決めた。一方の桧山自身も今季は苦しい1年。9月に13打数連続無安打(7三振)と苦境に立たされ、打率2割2分5厘でシーズンをフィニッシュ。打率3割を記録した08年から落ち込み、チームはCS進出も果たせなかった。4位に終わったチーム同様、逆境からの再出発に友人の復活は大きな発奮材料となった。

 競艇は見た目以上に緻密(ちみつ)でメンタルの強さも必要だという。1日の中でも海水の水位が変化し、地元以外では強烈なヤジも浴びる。競技は違えど、プロ野球の心構えに通じるものがある。寒空の競艇場が、絶好の勉強部屋になるかもしれない。

 [2009年12月2日11時52分

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